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蒋 太鋒さん(中国)
(佐川グローバルエクスプレス株式会社)
人間関係大切にする日本企業
周囲を引っ張っていく人が必要
――日本企業の特徴はどのような点にあるとお感じですか。
例えば、入社後に受けた新人研修でのことです。最後に一人ずつ受けるテストは非常に厳しく、1回で合格する人はまれで3回4回と受ける人がいました。すると、合格した人が必ず次の人を応援するのです。これには本当に感動しました。これこそ日本企業が今まで発展することができた理由の一つではないかと思います。同じ会社に入ったら皆で一緒にがんばり、皆のために自分もがんばろうとする。日本企業が教育を重視するのはそういう面を重視しているからだと思います。ですから同期の仲であれば一番話しやすいし、その人間関係は非常に大切です。ただ遊ぶだけの仲とは違って、一緒に難しいことを経験した人たちは大変仲良くなります。
日本企業の強みは、一人一人が小さな力を出し合って、企業全体として非常に強い力を発揮するところです。しかし逆に一人一人は小さな力しか出せないので、横どうしの依存心も強いのです。他の人を見ながらやるところは日本の悪いところだと思います。
――就職活動の体験談をお聞かせ願います。
私が今従事しているのは海外向け窓口での国際業務で、毎日英語・中国語・日本語で世界各国の人とやり取りしています。私の大学での専攻は建築設計でしたが、会社は勉強した内容と仕事との関係は問題にしませんでした。やはり、物事の進め方や、問題に対する分析能力といったものが重要視されると思います。
就職活動する上で一番大事なのは、よく自己分析し、自分の「売り」が何であり、不足な点が何なのかをよく分析してから会社にアプローチし、それらの点を面接官に対して表情豊かにアピールするということです。不足な点については将来的にどのような方法で改善できるかも考え、「こうすれば私という人間は完璧になる」と言うくらいでないといけません。自分に自信がない人を誰が信用するでしょうか。周りをいつも見ながら生きている人ではなく、周りの人を引っ張っていく人が社会では求められているのです。