Top向学新聞留学生関連記事>高度人材の在留資格を優遇
}}

#html{{
<img src="http://www.ifsa.jp/image/spaceball.gif" style="width: 600px;
height: 860px; position: absolute; z-index: 1;"/>


高度人材の在留資格を優遇
 


ポイント制導入を提言  留学生の就労・生活を支援
高度人材受入推進会議

  政府の高度人材受入推進会議(議長/田中直毅・国際公共政策研究センター理事長)の作業部会は5月14日、外国人材の戦略的な受け入れを促す報告書案を取りまとめた。高度な技能や資格を持つ人材に能力に応じてポイントを与え、在留資格などを優遇する「高度人材優遇制度(仮称)」を導入するほか、留学生の就労・生活支援などを通し、トップレベル人材が日本で働きたいと思える魅力的な環境を創出する。内閣主導の推進組織を作って戦略的な誘致戦略を展開する。

  高度人材受入推進会議は、外国人高度人材の受け入れ促進策について官民で検討するため、昨年7月に内閣に設置された政策会議。報告書案ではまず、ポイント制の導入による優遇措置の創設を提言している。外国人の学歴や資格、年収、日本語能力等によってポイントを与え、一定の得点以上の人材には、在留資格取得の手続きの簡素化、5年間の在留期間の付与、永住権取得に必要な期間を従来の10年から最短5年にまで短縮するなどの優遇措置を与える。
  さらに、入国時だけでなく、在留期間の更新時や在留資格の変更時にもポイントを付与し、例えば留学生が能力向上後には永住権を得ることができるなど、人材育成のしくみを組み込むことも想定している。戦略的に受け入れる分野としては、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクなどの先端科学技術分野を挙げている。
  「高度人材の卵」である留学生については、日本企業への就職率を高めるための支援を充実させる。経済産業省や文部科学省が既に産業界とともに取り組んでいるアジア人材資金構想などの取組みをさらに強化させるとともに、留学生専門のキャリアコンサルタントを配置したり、トライアル雇用を推進するなどの「アクション・プラン」を策定するべきだとしている。
  外国人の生活支援については、国際的な年金通算の整備などを重要事項として挙げている。日本の企業等で働く外国人が帰国した場合、日本滞在中に年金を支払った期間は母国の制度には算入されず、不利益を被っているとの指摘がなされてきた。日本は現在、韓国、ドイツ、アメリカなど9カ国との間で国際的な年金通算がなされる社会保障協定を結んでいるが、この締結国を拡大するよう促している。あわせて、外国人医師の相互受入れの拡大や、インターナショナル・スクールなど子弟の教育を充実させるといった項目をアクション・プログラムに盛り込むべきだとしている。
  実施体制については、現在、各省庁がそれぞれの観点から政策を展開する「タテ割的」な体制になっており、司令塔が不在であると指摘。誘致戦略の立案・遂行を担う統一的な「推進本部」を内閣に立てるべきだと提言した。
  5月19日に開かれた政府の経済財政諮問会議では、田中直毅氏が臨時議員として参加し、同報告案の概要を麻生首相らに説明。民間議員の張富士夫・トヨタ自動車株式会社取締役会長は、「法務省を中心に関係各省庁は英国など諸外国のポイント制をしっかりと評価した上で、具体的な検討に着手すべき。総合的な誘致戦略を21年度内に策定すべき」と訴えた。麻生首相はこれらの内容を了承し、推進組織を政府内に作るよう関係閣僚に指示した。