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向学新聞2013年9月号


東大、慶大が4学期制導入

                  国際的流動性の高まりに期待

 東京大学と慶應義塾大学は7月26日、4学期制導入に向け、学内の役員会または評議会での合意を得たと発表した。
 
 東京大学では、2015年度までに授業期間の4学期制を全学部で導入する。学部の秋季入学コースの拡充を図りつつ、全学的な秋季入学に向けて社会への働きかけや他大学と連携を強化する予定だ。慶應義塾大学も2014年度より現状の2学期制を土台にして、各学期をさらに2分割した4学期制が実施できるアカデミック・カレンダーにする。慶大広報部は、「どの学部が4学期制を採用するかなど詳細は今後検討を進めるが、この改革により秋入学の導入が容易になる」と説明する。
 
 4学期制の導入は秋入学の他に、学生が6月頃から始まる欧米大学のサマースクール(夏季休暇中に行う大学独自の学習プログラム)に参加しやすいというメリットがある。日本の多くの大学は2学期制で8月頃まで授業があるため、欧米大学のサマースクールへの参加は難しい状況だ。東京大学が2011年度の卒業生を対象として行ったアンケート調査によると、「大学の年間スケジュールが留学の妨げになった」と回答した学部生が35%に上っている。しかし、4月初旬から約2ヶ月で1授業期間が終了する4学期制であれば、夏季休暇も利用することで短期海外留学ができるようになる。
 
 2022年度までに全学部生の海外留学を目指す早稲田大学では、既に今年4月から政治経済学部など6学部とアジア太平洋研究科など11大学院で4学期制を導入している。学生が海外のサマースクールに参加できるようにするためだけではなく、早大でサマースクールを実施し海外の外国人学生の呼び込みも視野に入れている。近年アカデミック・カレンダー改革の議論が活発化しているが、4学期制が実現することで国際的流動性の高まりが期待される。



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