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向学新聞2014年4月号


留学生のリクルート戦略を

                      JASSO 教職員養成プログラム

 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が2月27日、留学生交流担当者のための教職員養成プログラム「外国人留学生のリクルーティング戦略」を開催した。講師として北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院の北村倫夫客員教授と一橋大学国際化推進室企画調査役・ディレクターの鈴木あかね氏が登壇し、外国人留学生をリクルーティングするにあたって、効果的な広報や大学の事例等を紹介した。
 
 北村客員教授は、大学の英語版ホームページに関する内容を中心に講義した。海外の学生が日本の大学を調べるにあたって、大学の英語版サイトが第一の窓口となる機会が多い。そこで北村客員教授は、世界大学ランキングで日本と競合するアジアのシンガポール国立大学やソウル大学校、香港大学等と比較し、「日本の大学には『なぜ本学で学べば良いのか?』の情報発信がほとんどない。ライバルとなるアジアのトップ校は『なぜ本学なのか?』を説明する掲載例が多い」と話した。さらに、「アジアトップ校のホームページでは、グローバルな教育、先端的な研究、卒業生の世界的ネットワーク等をアピールしている。日本の大学は立地場所などローカル性の強い内容等が多い一方で、大学の教育・研究の核心的な事項に触れず見劣りしている」と具体的な課題を指摘した。
 
 一橋大学の鈴木氏は、「英語圏の著名大学は、グローバルな市場競争で戦っていく中で、宣伝に予算と優秀な人材を配置するのは当たり前という考え方への合意がある」と話し、大学の広報にはPRやマスコミ出身者が在籍している他、ある事件が発生した際にメディアにその事件を解説できる研究者を売り込んでいる事例等を紹介した。また、「オーストラリア国立大学のある職員は『私の仕事は芸能プロダクションみたいなもの。タレント=研究者をどうやって売るかをいつも考えている』と話している」という事例も挙げ、日本とのスタンスの違いが鮮明となった。外国人留学生を獲得するにあたって戦略的な広報は必要不可欠だが、今回のプログラムで、日本の大学の課題が浮き彫りになり今後の改善が期待される。



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