<向学新聞2015年12月号記事より>
選考開始は6月へ変更
経団連・榊原会長が表明
一般社団法人日本経済団体連合会の榊原会長が11月20日、来年度の就職活動について、選考開始を6月から開始する旨を表明した。国公私立大学等で構成される就職問題懇談会はこれまで反対していた6月開始を容認。2年連続で就職活動スケジュールが変更することとなった。
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経団連、大学間で紆余曲折がありながらの決定となった。9月に榊原会長が就職活動スケジュールの改善を示唆し、その後6月選考開始に向けて調整をしていたが、就職問題懇談会が反対の姿勢を示した。
就職問題懇談会は11月4日、学生・企業の更なる混乱を避けるため、来年度は現行のスケジュール通り就職活動が実施されるよう経団連に要請。
それを受けて11月9日に記者会見を開いた経団連の榊原会長は、経団連加盟企業を対象に実施したアンケート調査結果について言及。今年度の採用活動について、「9割を超える企業が学生にマイナスの影響があったと回答した」と説明した。さらに「経団連としては、(選考開始を)8月から2ヶ月前倒しする必要があるという考えを示し、大学側・政府と調整して決定したい」と主張した。最終調整の結果、今月20日に6月から選考開始の決定を表明する運びとなった。
広報開始が現行通りの3月で、選考開始が2ヶ月前倒しの6月からとなるため、広報期間が3ヶ月間に短縮されることになった。これまでより広報期間が短くなるため、学生の業界・企業研究不足などが懸念される。今後も適切な就職活動スケジュールに関する議論は続くと見られる。
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