向学新聞2016年3月号
カタール大が最も国際的な大学に
THE世界大学ランキング
英高等教育誌のタイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)が「世界で最も国際的な大学ランキング2016」を1月24日に発表し、カタール大学が高等教育の先進地である欧米を追い抜き一位となった。カタール大学は100ポイント中99・9ポイントを獲得し、中東勢として初めての快挙を成し遂げた。日本は200位以内に入らず圏外だった。同ランキングは大学における国際学生・職員や海外大学との共同論文発表の割合を指標にしている。
カタール大躍進の背景についてTHEは、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーンなどがあるペルシャ湾に位置する国であること、カタールが「知識基盤社会」を形成するために、研究力の強化を推し進めていることを理由に挙げた。
カタール大はこの5年間で国際化が最も進んだ大学の一つで、昨年は319名の海外研究者と共同で450の研究プロジェクトに取り組んだ。また、9583名の学生のうち国際学生が42%を占めている。カタール大のハッサン学長は、「豊富な資金が国際的な共同研究を後押しし、国際共同研究においてトップの評価を得た」と話す。
ランキング2位はルクセンブルク大学、3位香港大学、4位スイス連邦工科大学ローザンヌ校、5位ジュネーブ大学となった。スイスはトップ10に4大学が入っており、英国は200位までに最多の64大学がランクインし欧州の底力を見せた。インペリアル・カレッジ・ロンドンのアリス・ガスト学長は、「いかなる大学もグローバルなコミュニティを形成しなければ、世界的な教育評価を得ることができない。異なる文化、専門などを持つ人々が集い、クリエイティブなシナジーが起こった時にイノベーションが生まれるのだ」と主張している。
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