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向学新聞2016年3月号


世界の「人材獲得・育成・維持能力」

スイスが首位


 アデコ株式会社が1月26日、「GTCI(人材競争力に関する国際調査)2015―16」を発表した。世界最大のビジネススクールの一つINSEADとヒューマンキャピタル・リーダーシップ研究所(HCLI)、アデコグループが共同で国際調査を実施。世界109カ国の「人材を獲得・育成・維持する能力」をランク付けした。日本は109カ国中19位となった。
 
 首位はスイス、2位シンガポール、3位ルクセンブルク、4位米国、5位デンマークと人材の流動性に開放的な国が上位にランクイン。スイスとルクセンブルクは人口の25%近くが他国の出身者、シンガポールは他国の出身者が43%に上る。
 
 共同編集者のブラーノ・ランヴァン氏は、「『頭脳還流』のダイナミクスを各国は上手く管理する必要がある。スキルの高い人材の一時的な流出は、初めはその人材の出身国にとって損失とみなされるが、出身国に帰国したときはそれが純益になる」と話す。
 
 調査報告はインドネシア・韓国などが人材を引きつける地域として存在感が高まってきていることも明らかにした。HCLIのウォン・スーイェンCEOは、「ASEAN経済共同体の形成によって、人材を引きつけていた国々が、自国で育った人材を東南アジアなどに奪われる可能性がある。フットワークの軽い人材は、世界規模で今よりも良い環境やキャリアチャンスを追求すると肝に銘じる必要がある」と指摘する。



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