向学新聞2020年10月1日号より>

特集 留学生の就職活動2020<考察>

企業側のスタンス 
 変化の激しいグローバル社会の中で、日本が更に活性化して元気な国になるには、イノベーションをもたらす可能性を秘めた留学生の存在意義は大きい。日本人の不足分を補う「数」としてではない、別の留学生の価値を見出している企業から、採用方法の見直し(英語での選考、職種別採用の実施等)を始めている。採用する企業側のスタンスと、しっかりと人をみる力も問われてきている。

留学生へ
 当初の第一希望の業界ではなかったとしても、必ず自分と合う企業・仕事があるはずだ、必ず見つける、という強い意志と行動力で、就職活動に臨んでほしい。オンラインの利点を活かし、会社規模や地域などにこだわりすぎず、広い範囲から探すことが重要だ。また、たくさんの応募者の中から自分を選んでもらうためにも、自分を高めるための継続的な努力と、自分を売り込むための工夫も忘れてはならない。

就職支援 
 外国人留学生の就職支援は、就職活動の状況把握と共に、つまづいてるところを丁寧にフォローすることが求められる。また、経済的問題や在留資格などの悩みもある留学生も多いため、国際センターなどの留学生担当部署との連携や、モチベーション維持のためにも学生同士の横のつながりを持つ機会の提供も有用だ。
 インバンド業界などの採用枠減については、雇用の回復を待つしかない状況だ。しかし、政府が留学生の就職促進に力を入れていること(「留学生就職促進プログラム」等)に表れているように、日本社会が留学生の卒業後の活躍を必要とする大きな流れは変わらない。
 コロナの影響が大きい今だが、就職支援の方法を多角的に拡充させる機会と捉え、コロナの峠を越した先で、留学生の日本企業への就職が更に加速していくことを期待したい。

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