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シリポーン・コアマパット・ニラン さん (マレーシア出身) 
(明治大学 理工学部機械工学科) 


技術者になりたくて日本へ  グリーンテクで起業が夢

――日本留学のきっかけは何ですか。
 小さい頃からものづくりが好きで、将来技術者になるにはどうすべきかを考えた結果、日本留学を決めました。日本はロボットなど様々な分野で世界の先端技術を持っており、技術者になるには最も良い環境だと思ったからです。それで、2007年の10月に来日し、日本語学校に1年半通った後、明治大学に入学しました。

――苦労したことはありますか。
 やはり日本語と日本文化です。来日当初はアジア出身の留学生が集まっている寮で生活をしていたのですが、彼らとコミュニケーションをとるには日本語を話すしかなく、一生懸命日本語を勉強しました。学校での授業時間も合わせると、毎日約8時間日本語漬けの日々を過ごしました。今よりも日本語の勉強をしていたかもしれません。苦労もありましたが、日本語学校時代に、マレーシアの文化を日本の小学生に紹介する機会をいただき、日本とマレーシアの文化の違いについて興味深く話を聞いてくれた小学生の姿が心に残っています。
 文化面では、人と人の距離感に戸惑いました。マレーシアで挨拶をするときは、初対面の人でも握手をして心の距離を縮めようとしますが、日本では会釈や言葉を交わすだけで終わってしまい、すぐに仲を深めるのは難しいと感じました。マレーシア人の先輩からも「日本人の友達を作るには積極的に話しかけた方がいい」とアドバイスをもらっていましたので、大学に入学したばかりの頃は、授業が始まる前にクラスの全員に話しかけました。日本語が通じるか不安でしたし、とても緊張しましたが、お陰で今では学科の皆を知っています。

――将来の夢は何ですか。
 太陽電池などのグリーンテクノロジー分野で起業することが夢です。近年、環境問題が注目されていますが、人類の未来に危機を及ぼす可能性があります。そういった問題を少しでも解決したいからです。そのため海外からも情報を集めながら勉強し、準備をしています。日本には細かいところまでこだわる文化があります。例えば、世界的に有名な自動車でも、小さな部品の一つ一つにまで神経を使い、非常に信頼性の高い製品を作り出しています。マレーシアでは、日本車が最も性能がいいと考えられているほどです。細かいところまでこだわり抜く精神をマレーシアの人達は見習うべきですし、私もそうしたいと思います。そして起業と環境問題の解決という夢に向かって果敢に挑戦し、実現するまで努力し続けたいと思います。


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