Top向学新聞今月の人>許 政 さん


許 政 さん (韓国出身) 
(学習院大学) 


             日本の経営の力を勉強したい  世界トップ企業が多数


留学生・許(韓国)HP


――日本留学のきっかけは何ですか。
 日本には「無から有」を創る力があり、世界中で日本が生みだした物が愛用されています。それは優秀な技術者と同時に、優れた経営者の存在があって成り立っているのではないかと考えました。それで、積み重ねられてきた日本の経営の力を勉強したいと思いました。両親も最初は反対していましたが、最後には「せっかく行くのだから頑張ってこい」と励ましてくれました。

――留学して得たものは何ですか。
 日本語学校で様々な国籍の友人と出会えたり、日本での生活を通して、人や文化に対する理解が深まったと感じます。語学力の向上もそうですが、心をこめて人と接し、助け合う関係を築くことができ、心が広くなったと感じます。

――どのような大学生活を送ったのでしょうか。
 先輩が大学の国際交流センターと協力して開講した韓国語講座に、2年生から講師として参加しました。2年生の頃はそれ程ではありませんでしたが、3年生になると抽選しなければいけない程に受講希望者がたくさん集まってくれました。アルバイトとの両立は大変でしたが、同年代の学生が毎日韓国語を勉強し、上達していく姿を見ると嬉しくなります。
 「味噌スープ」という国際交流の集まりでは、日本人学生と交流することで、日本人の考えや、どのように接すればいいかを学ぶことができいい経験になりました。

――苦労したことは何でしょうか。
 二つありますが、まずは日本語です。日本語学校に入学して3カ月でアルバイトを始めたのですが、その頃はまだまだ会話が十分にできず不便な思いをしました。その思いをバネにして一生懸命日本語を勉強したことが思い出に残っています。
 もう一つは円高の影響により、学費の工面に苦労しました。来日当初は100円=800ウォンでしたが、一番高い頃で100円=1600ウォンで2倍になりました。現在も1300ウォン前後です。英語圏で日本よりも安く留学できる国もあると聞いたこともありますが、円高は日本の輸出産業だけではなく、留学生の受入れにも大きな影響を与えていると思います。

――現在、就職活動をされているようですが、なぜ日本で働きたいのでしょうか。
 将来を考えて、ということが理由の一つにあります。日本は人として豊かに暮らすことができると感じ、自分のことだけではなく将来の子供のことも考えて日本で生活したいと思っています。
 また、現在はメーカーを中心に就職活動を行っています。一般的に知られていないだけで、日本には世界トップ企業が多数あります。そういった日本企業で、心をこめて仕事をしたいです。

――就職活動で困っていることはありますか。
 やはり、留学生を採用するのかどうかやこれまでの採用実績、「○○語歓迎」といった企業情報があると助かります。しかし、そういった情報は直接聞かなければ分からないことが多いのが現状です。同じ留学生には、合同企業説明会などに出来る限り参加するべきだと伝えたいです。

――最後に将来の夢を教えて下さい。
 10年後、20年後に、「お父さんはこんな仕事をしているんだ」と誇りをもって子供に伝えることができる人になりたいです。普通のことかもしれませんが、最近は普通に暮らすことさえも難しいと言われています。現在は就職活動中で、実際にどのような仕事に就くか分かりませんが、家族を大事にしたいと思います。



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