ルキト・アンディさん (インドネシア出身)
(近畿大学経営学部商学科)
他人でも深く気遣う日本人 共に仕事をして共に成長
――日本留学してみて分かったことは。
私の母国は天然資源が豊富であるにもかかわらずなぜ日本より遅れているのか疑問に思っていましたが、来日してその訳が分かりました。みなルールは守るし、下の人は上の人に対する接し方をわきまえています。相手のことを互いに尊重し合って対話します。母国では互いに自分をアピールし合うのが当たり前で、親しい人間どうしでもなければあまりマナーなど重要視しませんが、日本の場合はよく知らない他人でも深く気遣います。これには驚き感心しました。
――日本企業から内定をもらっているそうですが、就職活動で大切なこととは。
自己分析は自分自身がどういう人間か知るためのものですから参考程度にすべきで、それよりも会社と自分との関連性を見出す作業のほうが大切です。自己分析に基づいて会社を選ぶと、たとえば営業に向いていると思って営業関係の会社ばかり選んで可能性を狭めてしまう危険性があります。もっと広い視野と関心を持って企業を探せば、向いていないと思っていた職種の中に面白そうな仕事が見つかる可能性があるのです。
また、日本企業は日本人枠の欠員補充で留学生を募集する場合が多く、留学生も自分に自信があるため、就職活動を始めるのが遅くなりがちです。実を言うと私自身、「出る杭は打たれる」という実体験をしました。面接で勢い込んで自己の能力をアピールしていると、「それなら別に当社に来なくてもやっていけるのではないですか。私達とともに仕事をして成長していくのではないのでしょうか?」といわれたのです。日本社会を理解しているつもりでいましたが、やはり失敗を見ないと人間は変わらないものです。たたかれて自分の本当の姿が分かります。入社すればずっと日本人とともに生活し、成長していくのだということを忘れてはなりません。もし留学生の段階で文化の違いから日本人との関係がギクシャクしているようでは、就職に挑むのは大変です。同国人どうしでかたまらず、社会に出る前に多くの日本人とふれあって克服しておくべきだと思います。