デラジャト エコリアントさん (インドネシア出身)
(東京大学大学院工学系研究科)
様々な国の友人を得る
考え方が問われる就職面接
――日本留学で得たものは。
日本人に限らず様々な国の友人ができたことが一番大きかったです。将来につながるネットワークを作ることができました。例えば南米出身の友人は考え方が全く違いますし、アジアとヨーロッパでも大きく異なります。机上の学問はどの国に行ってもできますが、そのような異文化交流は留学で大いに勉強になったことの一つです。
私は既に日本企業から内定を頂いていますが、面接のときには将来日本と母国以外の国に行って仕事をしたいとはっきり伝えました。アジアから離れて全く違う世界を体験してみたいのです。自分が知っている世界とどのぐらい違うのか、今の環境にいるままではわかりません。第三国で修業したいという理由もありますが、仕事の経験を増やしたいからではなく、生活面での理由も大きいのです。
例えば海外からいきなりやってきて日本企業で働いても、日本での生活に慣れていないと難しいです。あるインドネシア人の先輩は「日本の企業で働いたら疲れる。社員は労働者として利益の追求ばかりを考えているから」と率直に話していました。その先輩は、「自分の時間も大切であり、家族を大事にしたい」という思い、つまり生き方に対する彼なりの考え方を持っているのです。私もプログラミングのアルバイトの経験があるのでわかるのですが、日本企業では実際にみな遅くまで仕事をしています。その先輩はもっと給料を上げるからもっと仕事をしてほしいというキャリアアップのオファーを会社から頂いたけれども、断ったそうです。お金がすべてではなく、子供と接する時間が少ないので家族との時間を大事にしたい、人は仕事のために生まれているのではないと。
社会の在り方は様々です。私は、日本社会の良い面を柔軟に吸収して将来に生かしていきたいと考えています。
就職活動では、企業は面接でその人の「ものの考え方」を見ます。その人の伝えたいことが何で、どのように意見を述べるのか。本人の「姿勢」が問われます。それは日ごろから、様々な経験を通して身につけておく必要があると感じています。
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