グェン クィ フーさん (ベトナム出身)
(東京工業大学 経営システム工学科)
入念な会社研究が大切 面接では印象に残る工夫を
――留学生活を通して得たものは。
「頑張ればできる」という自信が身につき人間形成の面で影響を受けました。また、日本は和の精神を大事にすると普段から感じていますが、そういう日本のやり方をもっと勉強したいと思っています。
――就職が内定しているそうですね。
商社から内定を頂きました。就職活動ではベトナムに子会社がある企業と、今後ベトナムあるいは東南アジアに進出する企業に集中して10社応募しました。対象となる企業は結構多く、1~2年日本で経験してすぐベトナムに帰る、あるいは東南アジアで経験を積みベトナムに帰る求人など様々でした。私は最初は日本で経験を積み、世界や東南アジアで知識を吸収してからベトナムでやっていくという将来像を描いた上で会社を絞り込んで行きました。
――ビジョンはいつごろ固めましたか。
2年生の時です。先輩や日本人の友人にアドバイスを頂きました。また、ベトナム現地とやり取りする通訳や翻訳のアルバイトをしていたので、日本企業やベトナム企業の情報を業務の中で得られたのは良かったです。学校の勉強をしているだけでは不十分で、外に出て情報収集しないと自分の将来は決められません。
――面接ではどんなアピールを?
10社中面接を受けたのは8社で、一社で2~3回は面接がありました。私は企業理念や会社情報をよく読み、例えばベトナムに行く企業であれば、自分が入社したらどんな役割が果たせるか確認できるまで入念に一社一社研究していきました。そこまでイメージを描いて面接に望めば人事の方も話しやすいです。話した時お互いが理解できると感じるかどうかがポイントでしょう。
ある面接では、ベトナムでトラブルを抱えている企業の新聞記事を使い、それを解決するにはどうすればいいか考えて計画を立てて面接に持ち込みました。互いに質問を投げかけることで話が深まりました。これはベトナム人としての視点に対して理解を求める意味合いもあります。そういう工夫がないとなかなか担当者の印象に残りません。留学して苦労してきたという話だけではみんな同じです。それをいっていてはあとは日本語能力を見るだけになってしまいます。
日本語能力については話し抜く能力が必要で、色々な人とコミュニケーションしながらニュアンスの理解力を養うことが大事だと思います。
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