コエク セン チャイさん (マレーシア出身)
(筑波大学第三学群社会工学類・在日マレーシア留学生会会長)
避難生活での助け合いに感動 将来は起業にチャレンジ
――これまでの日本留学で学んだことは。
私は筑波大に来る前は長岡高専にいましたが、そのとき地震に遭い、1ヶ月くらい避難生活をしました。そこで国籍に関係なく皆が共に助け合っていたことに、非常に感動しました。皆が同じ災害に遭っていますので、その一点で皆結束することができたのだと思います。地震当日の夜には、自分の家に被害が出ていることを省みず道路に陥没がないかチェックしに出ている人々がおり、非常に感心するとともに影響を受けました。実に様々な団体の方々が私達を助けてくれました。これらの体験は日本留学におけるひとつの大きな財産になったと思います。友人として人々と助け合うことの大切さを知りました。
――将来の目標について。
私は今経営工学を専攻しており、将来は起業したいと思っています。その理由は、自分で自分の将来を決められるからです。例えば会社で働いていると会社がつぶれたりリストラに遭う可能性があります。これからは大会社だからといって必ずしも倒産しないわけではありません。しかし起業すれば成功しても失敗してもすべて自分の責任です。私は毎日同じ仕事をする安定した生活より、忙しくても新しいことを求める充実した日々が欲しいので、一度起業にチャレンジしてみたいのです。具体的な事業内容はまだ決めていませんが、マレーシアと関係のある会社を日本で作り、母国に新技術を導入したいです。
現在私は留学生会の会長として様々な新しい仕事を経験しており、先日開催した就職セミナーでは企業への営業を担当しました。会長はほとんど現場の仕事には直接関わらないのが普通なのですが、他の方が喜んでくれることには私は満足を感じるのです。高校時代からボランティア活動をしてきたからでしょうか、私は何事にもサービス精神で、ベストを尽くしたいという気持ちを持って取り組んでいます。