申 沅燮さん (韓国出身)
(法政大学経営学部経営学科・在日韓国留学生連合会会長)
日韓のビジネスの違い実感 将来は日本で起業し韓国展開目指す
――将来の目標について。
まず日本の会社で2~3年働いて経験を積んだ後、フードサービス系のフランチャイズチェーンの会社を興したいと思っています。
日ごろ大学で経営論は学んでいますが、それだけではどうしても足りない部分があると感じています。私は日本で初めてアルバイトとして入った和食レストランで4年間働きましたが、そこでは人とうまくやり取りする方法を学べましたし、臨機応変に自分で対応する方法を考える訓練にもなりました。また、社員に関西出身の人が多いため関西弁の勉強にもなりましたし、教科書に出ていない若者の言葉も勉強できました。来日後1年位たってだんだんそういう言葉が分ってくると、自分の日本語力も伸びたなと実感します。
レストランの他にも、韓国企業と日本企業との商談会で間に入って通訳をしたことがありますが、そこでは日韓のビジネスの違いを実感しました。日本企業は自分の系列会社や子会社を大事にするようで、もし韓国から入ってきた企業が本当に時代をリードする新技術をもっていてもそれをその場ですぐには採用せず、既に契約していた会社とあまり手を切りたがりません。ですから相当革新的なアイテムを用意しなければならず、それが韓国企業にとって一番難しい点です。日本は企業間のつながりを重視しますが、韓国では新しいものを皆が取り入れようとし、すぐに自分の会社で同じ物を作ってしまいます。
――それぞれに一長一短があるようですね。
そうですね。それで私は日本で起業し、日本企業のもつ良いところの中でも韓国に合う部分を選んで取り入れ、将来的には韓国で広く発展させたいと考えているのです。
――在日韓国留学生連合会について。
関東地域を中心に現在45人のメンバーがいます。私は会長を務める中で、自分が積極的な性格へと変わっていくのを感じています。連合会の活動では、何かを企画して最後までやり遂げるという経験を積むことが出来ましたが、これは非常にやりがいのあることです。メンバーには「自分はこれをひとつやった」といえるような経験をさせてあげたいと思っています。