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向学新聞2011年4月号


産学官で留学生の就職問題討論

 

魅力ある国を創り世界に発信を

 特定非営利活動法人日中産学官交流機構(東京都千代田区)は3月22日、留学生の就職問題についてのシンポジウムを開催した。当日は文部科学省や大学、企業から集まったパネラーが活発な討論を繰り広げた。とりわけ、3月11日に発生した東日本大震災後の留学生の就職について、今後大学や企業がどのような姿勢で臨んでいくべきかが中心的なテーマとなった。
 文部科学省の松尾泰樹氏は、「東北はミスマッチが少なく就職内定率が良いほうだったが、今回の震災で厳しい状況になる可能性がある」と指摘。ある大学関係者は、大震災の影響や米国の留学ビザの審査が軟化したことによって「来年の4月に日本に入ってくる留学生が激減する可能性がある」と述べた。
 企業の側からは、株式会社ディスコの田口香織氏が、「今後は世界各国の人にとっての『生活の場』『学ぶ場』『魅力のある国』を創り、日本が元気であると世界に発信していく必要がある」と提言。パネラーや会場からは、「日本にいる外国人に日本のよさを発信してほしい」、「東北に災害復旧センターを立ち上げて世界に発信すべき」などの声が上がった。KYB株式会社の齋藤圭介氏は、日本の習慣やマナーだけでなく日本人の気持ちまで理解できる在日外国人の例を挙げながら、「受け入れることも大事だが、今来てくれている人、来てくれた人を大事にすることが必要」だと訴えた。



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