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向学新聞2011年11月号記事より>


語学力・専門性活かしたい
 

国際留学生協会就職アンケート調査  職場のコミュニケーション不安

 特定非営利活動法人国際留学生協会(東京都千代田区、略称IFSA)は今年9月29日に、「IFSA外国人留学生就職フォーラム2012」を東京で開催し、会場で参加留学生へのアンケート調査を行った。有効回答数は124名で、大半は2012年3月に卒業を控えた留学生が回答した。
 就職活動の開始時期について調査結果を分析すると、「卒業1年前~卒業までの間に活動を開始した人」が全体の51・6%で、「卒業の1年前以前に就職活動を開始した人」の23・4%より大幅に多いことが分かった。2012年3月卒業の場合、卒業前年の3月以降に就職活動を始めた留学生が半数以上に上っていることになる。日本の就職活動は、卒業前年の冬頃が一般的な開始時期となっている。同会が6月にも実施した同様のアンケート結果よりも、「卒業1年前~卒業までの間に活動を開始した人」の割合が多くなっており、9月時点で就職活動を行っている留学生の多くは、一般的なスケジュールよりも開始時期が遅れていることが浮彫りになった。
 「日本企業に就職する理由は何ですか」(複数回答可)という質問で、「留学で身につけた語学力や専門性を活かして働きたい」と回答したのが66%と圧倒的に多かった。いっぽう、「日本企業に就職することについて不安はありますか」という質問では、「日本人の上司や同僚とのコミュニーケーション」と答えたのが29%、「外国人ならではの技能・発想を活かせる場があるか」が28%、「職場において異文化への理解がどれだけあるか」が26%と続き、留学で養った語学力などを発揮したいと願いつつも、能力を活かせる場や、職場の異文化への理解が不安材料となっているようだ。
 「あなたが会社を選ぶ基準は何ですか」(複数回答可)という質問では、「海外に事業展開をしているか」と回答したのが37%と最も多く、次いで「将来の自分のキャリアアップに有益か」が33%、「母国と関係がある仕事に従事できるか」が29%となった。
 「就職活動について、困っている事、自信のない事や不安な事は何ですか」という質問では、「SPI試験・筆記試験」と答えたのが37%、「自己PR」が31%となり、日本人学生にとっても簡単ではないSPI試験・筆記試験は、留学生にはより苦労を要するようだ。
 「日本での就職活動について、企業に改善してもらいたいことは何ですか」(複数回答可)という質問では、「不採用の理由を教えてほしい」が45%で最も多く、「留学生の採用枠を増やしてほしい」が41%人と続いた。
 就職活動に関する自由回答欄では、「交通費や宿泊代などの負担が重い」、「競争がかなり厳しい」「最終面接まで来て、結局落ちたことが悔しい」などの回答があった。就職活動に励みながらも、上手くいかない状況に、苦労している留学生の姿があった。日本で働くという強い意志を持ち、ハードルを乗り越えて就職活動を行うことが必要だ。




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