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日清食品ホールディングス株式会社 


ここ数年新入社員の1割外国人  留学生ならではの発想が重要

――外国人留学生の採用状況はいかがでしょうか。
 (土居)弊社では外国人留学生、日本人学生を同じ基準で選考をしています。ただ、今後グローバル化が進むなかで、留学生に期待する役割は大きくなっています。ここ数年は留学生の採用が続いており、新入社員の約1割は外国人です。数値目標があるわけではなく、優秀な人材を採用しようとした結果ですが、今後のグローバル戦略を支えるため、外国人社員の数はもっと増えてもいいと考えています。

――採用過程で何を重視していますか。
 (土居)まずは面接で、コミュニケーションがしっかりできることです。そして、ユニークな考え方をもっていることです。日本人学生と異なるバックグラウンドを持っているのですから、留学生ならではの発想が重要だと考えています。そういった意味ではマニュアル本にあるような日本の就職活動のあり方に捉われすぎない方が良いでしょう。実際に昨年、弊社の採用活動に疑問を感じた留学生がエントリーシートでその思いをぶつけてきました。最初こそ戸惑いましたが、率直に自分の考えを表現できるところが日本人にはないところなのかもしれないと感じ、とても興味を持ちました。この留学生の行動が必ずしも正しかったということではありませんが、留学生ならではの強みに注目しているということです。また、弊社では日本語に自信がない方でも、内定者教育等でしっかりとフォローしています。
(谷古宇)大学で専門的に勉強をしてきたことも評価しています。努力を資格という目に見える形で残すなど、留学生としての特色以外に専門性も必要だと思います。

――留学生にどういった役割を担ってほしいですか。
 (谷古宇)現在世界における即席めんの年間総需要は954億食ですが、日本が占める割合は5パーセントに過ぎません。今後、市場はアジアなどの新興国を中心に拡大を続けていきますので、弊社の成長には海外事業のさらなる飛躍が不可欠です。海外戦略においては、各国の食の伝統、習慣に学び、その国の人が最も〝Comfortable〟(心地よい)だと感じる商品を提供していくことを基本としています。そうした中で、その国のバックグラウンドを持ち、現地の食文化を生で知っている留学生は非常に魅力的です。
(土居)入社10年目のロシア出身の元留学生は、日本で営業からキャリアをスタートした後、財務、マーケティングを経験し、現在ロシアでマーケティング担当のダイレクターに就いています。日本で経験を積んだ上で母国に戻り、リーダーとなって活躍しているモデルケースです。

――現地化が一つのポイントとなっていますが、カップヌードルという世界的な商品が既にあります。世界の中での「日清食品」とは。
 (土居)実は、日本人が抱いているカップヌードルのイメージや認知度は、世界共通ではありません。欧米ではまだまだマイナーな存在です。アジアの多くの国では、インスタント食品が広まっていますが、世界一の消費国である中国でも、トップではありません。今後は、各国でブランド力や市場シェアをナンバー1に塗り替えていきたいと強く思っています。
「世界のビジネスはすぐ身近なところにある」
 日本人社員の意識改革という面でも、外国人社員の存在は刺激になります。グローバル化とは外国人社員が日本で活躍するだけでなく、日本人社員も海外で活躍するということだからです。
(谷古宇)会社全体で社員が問題意識を高め、自らが活躍する舞台を世界に広げたいという強い意思をもつようになったことで、全社員を対象にしたTOEIC公開テストの受検者がこの2年間で倍になりました。海外力拡大のため弊社のCEOである安藤宏基も、全社員に対して『明日は海外』という心構えで徹底的にスキルアップに努めてほしいというメッセージを常に発信しています。

――留学生にアドバイスをお願いします。
 (土居)まず、グローバル化が進んでいる状況で、弊社における留学生の価値は上がってきています。しかし、留学生だから採用するということではありません。同じ選考基準で日本人学生と競うわけですから、自らの中に日本人とは違うものを見出し、表現してほしいです。弊社は人類を「食」の楽しみや喜びで満たすことを通じて社会や地球に貢献する「EARTH FOOD CREATOR」をグループ理念として掲げております。何事にも好奇心を持ち、新しい食文化を創造しようという意欲を持った留学生の皆さんからの応募をお待ちしています!



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