Top向学新聞今月の人>グェン ビン キェムさん
}}

#html{{
<img src="http://www.ifsa.jp/image/spaceball.gif" style="width: 600px;
height: 800px; position: absolute; z-index: 1;"/>


グェン ビン キェムさん (ベトナム出身) 
(東京大学大学院 情報理工学系研究科、在日ベトナム学生青年協会(VYSA)会長) 


ロボット研究は人間研究
将来に役立つ人脈形成を


――ロボットのセンサーを研究されているそうですね。
  研究室では、力を出せない老人などの仕事を補助するための身近な生活用ロボットを作っており、私はそれに載せるセンサーについて研究しています。このセンサーは人間の五感の役割を果たすもので、触覚などの微妙な感覚をとらえます。人間とコミュニケーションが取れなければロボットは信頼して使ってもらえないので、実用化の上では非常に重要な技術です。
  私はもともと機械とロボットに関心があり、いずれは世界一のロボット先進国である日本で勉強したいと考えていました。国費留学生の奨学金を頂けることになったので迷わず日本に行くことを決めました。
  留学してみると、例えば日本語は微妙なニュアンスを多く含み、あいまいな表現を使いこなすのは大変です。しかし、日本人にこのあいまいさの概念があるからこそ、ロボット技術の開発にもその概念を応用でき、卵を握るような微妙な力のバランスを作りだせるのだと思います。ロボットの二足歩行も世界で初めて日本が成功させましたが、この動作は倒れながら歩くので、足にかかる力の微妙なバランスを保つ必要があり、あいまいさを追求せずしては動作自体が成り立ちません。
  ロボットを作るうちに人間の動作をずいぶん詳しく分析することになりますし、人間が無意識のうちに行っているあいまいな動作についてもわかるようになります。単にロボット研究だけにとどまらず、人間研究にもなるのです。
  日本人は丁寧かつ勤勉で、ルールを守って行動する点が特長だと思います。研究室で日本人と接する中でそう感じます。研究室には留学生が5人いますが、日本語で会話します。そもそも日本語力が不十分だと自分のしたいことができず、留学生活を豊かなものにすることができません。これから日本留学する方は、言葉が使えないゆえに日本社会への理解が偏ったりしないよう事前に良く日本語を勉強し、テレビなどを見て日本文化を学び、来日後は積極的に周りの社会に入るようにするのがよいと思います。自分からコミュニケーションをとっていけば周囲も理解してくれるようになり、慣れるのは時間の問題です。

――VYSAの活動について教えてください。
  大きな目的は、各種のイベントを通じて在日ベトナム人どうしのコミュニティーを作ることです。来たばかりのベトナム人が日本に慣れるのは大変ですので、コミュニティーを通じて徐々に慣れていけるようにとみな頑張って応援しています。そこで作った人脈は5~10年後に役に立つと思います。人間関係を円滑にこなして多くの友人を作れば、それが将来有効な国際的ネットワークとなり、多くのチャンスを提供してくれるに違いないと考えています。



a:4484 t:1 y:0