高 賢氏
(明治大学 就職キャリア支援部)
一冊の問題集を繰り返し解く
多くの留学生が苦手とするWEB試験・筆記試験。どのように効率的な対策を行なえばいいのか。明治大学の高賢氏にお話を伺った。
採用の効率化
――いよいよ就職活動が始まりました。今年はスケジュールの変更に戸惑いを感じる学生も多いようです。その中で、WEB試験・筆記試験は留学生にとって最もハードルが高い選考でもあります。なぜ企業はWEB試験・筆記試験を課すのでしょうか。
採用活動の効率化が大きな理由だと考えられます。日本は新卒一括採用方式で、多くの企業が同じ時期に採用活動を始め、学生も一斉に応募します。そのため一社に集まる応募者の数が膨大になるため、効率的に選考を行うためにWEB試験・筆記試験が行なわれます。
試験の種類
――どのような種類の試験があるのでしょうか。
SPI(リクルートキャリア)、CAB・GAB・IMAGES(日本SHL)などいくつかのテスト作成会社がテスト問題を作って、企業が特性に合う試験問題を採用しています。図形問題や計数問題に重点を置く試験など様々ありますが、何から勉強して良いか分からない留学生も多いのではないでしょうか。実際にはSPI試験を採用している企業が多く、SPI試験対策から取りかかることをお勧めします。
――志望企業がどの形式の試験を採用するか公表しているのでしょうか。
残念ながら、企業は採用試験形式を公表していません。ですが、例年同じ形式を使うことが多いので、先輩などから情報を集めることが重要です。
試験対策
――筆記試験は留学生にとって関門です。どのように対策すれば良いでしょうか。
手広く参考書にあたるのではなく、一冊の問題集を繰り返し解く方法が良いと思います。話を聞くと英語が得意で政治や時事問題が苦手という留学生が多いと感じます。しかし、こういった問題は対策をすれば必ず効果が上がります。これまでサポートしてきた留学生を振り返ってみても、試験を何度も重ねていくうちに結果も向上しています。
また、企業側もWEB試験・筆記試験については留学生であることを考慮してくれるケースが多いようです。WEB試験・筆記試験対策はもちろん大事ですが、だからといって試験勉強だけを集中的に行なうのはあまり得策ではありません。業界研究や面接練習など、限られた時間の中でバランスの取れた対策を行なうことが就職活動を乗り切る鍵になるでしょう。
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