Top向学新聞日本で働く留学生OBたち>鄒 翔さん


鄒 翔さん (中国出身) 
(JFEスチール株式会社) 


世界の最先端技術を下支え プロとしての自覚が大事

――現在の業務内容は何ですか。
 現在入社12年目で、電磁鋼板という高級鋼材の営業を担当しています。電磁鋼板は、太陽光・風力・水力発電などの際に必要とされており、取り入れたエネルギーを送電用に変換するパワーコンディショナーに使用されています。営業先は日本を含めたアジア、欧州、北米に渡り、世界の一流企業と仕事を行っています。まさに世界の最先端技術を下支えしているような立場で、非常にやりがいを感じています。

――日本企業で長らく勤務されていますが、苦労したことは何ですか。
 やはり外国人として文化の壁に一度はぶつかりました。入社当初、京浜の製鉄所に配属され生産管理を担当していました。高度な専門用語が飛び交う中、「以心伝心」や「暗黙の了解」といった日本文化に慣れることに苦労したのです。ですが、最初は修行期間だと考えていたので、見習いとして一生懸命仕事に励むうちに、専門性や企業文化を習得することができました。
 また、入社2年目で2万人以上が働く製鉄所の全体統制を行う部署に配属となりました。経験も浅く、かつ外国人という立場で苦労しましたが、経営陣の代弁者として奔走しました。そのお陰で様々な部署の方と知り合うことができ、その人間関係は貴重な財産になっています。

――なぜ鉄鋼業界で働こうと思ったのでしょうか。
 グローバルかつダイナミックな事業展開に興味がありました。また、就職活動中に当社の先輩社員と話す機会があったのですが、仕事に対する熱い気持ちを感じ、人間性や会社の雰囲気に惹かれて入社を決めました。

――現在就職活動を行っている留学生にアドバイスをお願いします。
  働くにあたって大事なことは、プロフェッショナルとしての自覚を持つことです。そして、粘り強さ・根性があればどこの企業でも生きていくことができるはずです。ですから、学生時代に様々なことに挑戦し、困難を乗り越える経験をたくさん積み重ねて欲しいと思います。また、成功体験だけではなく、失敗も経験することで人間としての幅や、自らの意思にも磨きがかかるでしょう。



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