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向学新聞2021年1月1日号記事より>

日本文化の底力コラム 第3回(第1期)
国際夫婦漫才コンビ フランポネ(吉本興業)

 日本人とスイス人の国際夫婦コンビ「フランポネ」。今やその活動は日本から海外に広がっている。連載の最終回の本号では、肝である「漫才で覚える日本語」について語って頂いた。

フランポネ

フランポネ

マヌー:神奈川県出身。ベルギー王立アントワープ大学大学院修了。上場企業(海外営業部)での勤務を経てコンビ結成。6カ国語が堪能。

シラちゃん:スイス・ジュネーヴ出身。イタリア人とフランス人の父母を持ち、ギリシャや日本で暮らしてきた国際派。日本語を学んだ時の気付きから「漫才で学ぶ日本語」が生まれた。


【「漫才で覚える日本語」参考動画】
・3分動画はこちら: http://urx.space/BgRw
・90分の授業動画(教室版):
 https://www.youtube.com/watch?v=x84Yde84Y9k&feature=youtu.be
・90分の授業動画(ZOOM版):
 https://www.youtube.com/watch?v=OwEAvfiyLps&feature=youtu.be


会話練習以上の漫才披露  読む・書く・聞く・話すを駆使

【開発経緯】
 「漫才で覚える日本語」とはその文字通り「漫才」を作りながら日本語を勉強する学習方法です。
 妻であり相方であるスイス人のシラちゃんは結婚を機に来日し、日本語学校に通いますが文法中心の授業に限界を感じます。その後、吉本興業が運営する芸人養成所NSCに入学、NSCでは台本なしの喋る訓練を経験、それを日本語教育に応用したのが「漫才で覚える日本語」です。

【本当ですか?】  
 「漫才で覚える日本語」と聞いて「え?」と思われたかもしれませんが実際に日本語学校や大学でも少しずつ導入され効果が認められております。僕たちはまだ活動して2年程度なので無名ではありますが吉本興業所属の芸人として「漫才」を通じた日本語教育を実施しています。

【どういう授業か】
 日本語学校など教室に出む向き漫才を実演、その後、生徒同士でコンビを組みコンビ名を決めます。コンビ名が決まったらお馴染みの挨拶の練習から始めます。
「どーもー」で「私は××人の××です」「僕は×× 人の××です。コンビ名は××です」というお馴染みの挨拶です。それから外国人留学生が過去に間違えてしまった日本語をボケにして簡単なネタを作ります。
〈例〉定食屋にて
ツッコミ「お腹空いた。私は唐揚げ定食にする。なに食べる?」
ボケ「私は壁に書いてある日本の定食」
ツッコミ「それ日本の定食じゃなくて本日の定食でしょ。もういいよ。どうもありがとうございました」

【反響と活い動拡大】
 日本語の先生から「読む・書く・聞く・話すの能力を駆使して漫才を作成するので日本語学習として効果がある」、さらに「会話の授業というのは既に存在しているが人前で自分達が作った漫才を披露しているので会話練習以上のことをやっている」とのコメントをいただきました。

【海外展開】
 日本でだけではなく海外(スイス)でも実施し、秋からはZ O O М を使ってオーストラリアにある日本語学校でも実施しており、今後はスペインや南米(メキシコ・チリ・コロンビア)にある日本語学校でも実施する予定です。

【こんな講義もやっています!】
 「漫才で覚える日本語」以外にも「お笑い国際比較論」や「お笑いと外国人」などの講義も大学で実施しています。

コラム 第1回 フランス語で漫才 日本のお笑いを世界へ
コラム 第2回 オンリーワンはナンバーワン ゼロからの開拓こそ面白い
コラム 第3回 会話練習以上の漫才披露 読む・書く・聞く・話すを駆使

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