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馬 燕光さん(中国) 
(NTTコミュニケーションズ株式会社) 


企業は外国人社員通じて異文化学べ
就職活動には大学のサポートも必要

――日本と母国の企業文化の違いは。
 中国では若い人を早いうちから重要なポストで使いますが、日本では新入社員は入社して3~5年研修してからやっと一人前になるものだと考えます。最初は会社への貢献よりも勉強してもらうことが必要だという姿勢は、即戦力を求める中国の企業から見ると考えられないことです。
 また、留学生自身、そもそも会社で働く目標が日本人と違います。ある新聞の調査では、大卒で企業に入った中国人の90%は社長や重役になりたいと考えているということです。留学生は自分の経験をつむために会社に入って勉強したいという気持ちがあるわけですが、そのような考え方は日本企業からすればとんでもないことです。
 だからといってお互いの価値観を一方的に押し付けていてもうまくいきません。例えば今は小企業でもほとんどがグローバル展開していますが、社内に外国人を入れていれば、海外とのコミュニケーションのノウハウをその社員から学べるメリットがあると思うのです。留学生をすべて日本企業の色に染めるよりは、彼らから様々な異文化を学ぼうとするほうがビジネスには役立つと思います。

――就職活動中の留学生へのアドバイスは。
 自分が何をしたいのかはっきりしておらず、企業をどう選んだらいいか分からないという人がいます。最初によく自己分析しないと、企業があまりにも多くて混乱してしまいます。内定がなかなか出ずにあせってしまいがちですが、今は求める人材像を明示している企業も多いですから、こちらの自己分析や要望がはっきりしていれば企業側も容易にマッチングができ、そのぶん就職活動を円滑に先に進めることができるでしょう。

――留学生に必要な就職支援とは。
 留学生が日本人と同様の日本語レベルに到達するのはなかなか難しいですから、学校の就職課等で日本語に関するトレーニングやコンサルティングなどを実施してほしいです。企業の留学生採用ニーズが高まる一方で、留学生の就職に関する大学側からのサポートはあまりされていないと感じますし、相談できるところもあまりありません。日本人の学生と一緒に戦っていると心細い面があり、自分が留学生としていかなる強みがあるのがはっきりと自己分析できる人は少ないと思いますので、その点に関する何らかのサポートは必要だと思います。