留学生の就職、伸びが鈍化
中国人留学生の動向を反映
2008年に日本企業等に就職するために在留資格変更許可申請を行った留学生は1万1789人で、そのうち1万1040人が許可され、前年に引き続き申請件数・許可件数とも過去最高を更新した。
許可件数は前年の1万262人から7・6%(778人)の増加となり、数年間急増傾向にあった就職者数も、ここにきて伸びが鈍化した。留学生の母体数自体が、2000年から2003年まで急増したが2005年以降は横ばいとなっており、これに許可件数もある程度呼応していると考えられる。いっぽう、2008年の経済危機以降、日本国内では不況が続いており、企業が採用人数を減らしたり新卒採用を見送ったりすることによる受け皿自体の減少も大きく影響していると見られる。
国籍別では、中国が7651人と例年通り最多だが、前年比の増加率はわずか1・5%(112人)にとどまった。次に多かったのが韓国の1360人で、伸び率では前年比22・6%増と多少伸びたものの、増加人数自体は251人で中国とそれほど大きな差はない。以下中国(台湾)、ベトナム、バングラデシュと続いている。特にベトナムは前年比44・3%増と伸び率が目立った。
最大多数を占める中国出身者の増減には日本社会や企業の現状が色濃く反映されている。中国人留学生は絶対数が多いため、日本人と全く同一条件の一般新卒枠に応募する留学生は、中国出身者が圧倒的に多い。一般新卒枠が縮小した場合には、一番大きな影響を受けるのは中国人留学生ということになる。しかも、企業が新卒採用を縮小する場合は文系総合職などの部門から着手することが多いため、文系志願者の多い中国人留学生への影響が強く出たものとみられる。
いっぽう理系・技術系の職種は専門性が強く求められるため、採用枠の規模自体が大きく変動することは考えにくい。東南アジア出身の留学生は理系・技術系の割合が比較的多いので、安定して伸びているのだと考えられる。
職務内容別では、翻訳・通訳が3717人(33・7%)と最多で、前年比で286人(8・3%)増。以下販売・営業(1789人)、情報処理(1240人)の順だった。
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