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向学新聞2011年1月号


グローバル人材シンポジウム開催

経済産業省

 

アジア人財資金構想の成果検証

 2007年から開始されたアジア人財資金構想の成果を検証し、今後の人材育成のあり方を探る「グローバル人材シンポジウム」が、12月14日、東京・千代田区のベルサール秋葉原にて開催された。主催は経済産業省。アジア人財資金構想は、日系企業への強い就職意思を持つ優秀な留学生に、ビジネス日本語教育やインターンシップ、就職支援までをパッケージで提供する産学官共同の高度人材育成プログラムだ。
 シンポジウム前半、経済産業省の林揚哲氏が政策の説明を行い、「世界的な頭脳獲得競争の中でアジア人財プログラムによって優秀な人材を獲得できた」と成果を強調した。続く先進事例の発表では、海外大学で模擬授業を行った千葉大学のリクルーティングの手法や、キャンパス内での長期インターンシップで留学生と企業とのマッチングを図る大阪大学の事例等が紹介された。大阪大学では大企業と深く結びついたプログラムが好評で、日本人から授業を受けたいというリクエストが多いという。
 続くパネルディスカッションでは、産学官からのパネラーが、高度外国人材の育成と活用の方策について討論した。学内で日本企業が面接を行う「オンキャンパス・リクルーティング」を実施する立命館アジア太平洋大学の横山研治氏は、「大学が世界で学生を集めるには教育の後の就職まで見せないといけない」として、今後は「実利留学」が日本留学の主要因になると述べた。さらに日英二言語教育の成果に触れ、「二年間で日本語を身に付けさせる教育力をいかに付けるかが大学が生き残るための条件」だと強調した。
 いっぽう日本人のグローバル人材育成については、今年社内の公用語を英語化した楽天株式会社の樋口将嘉氏が「英語を使うことで日本人が日本語のままで考える以外のことが見えてくる」と述べ、ツールとして英語を使いこなせる人材の必要性を強調した。



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