向学新聞2011年7月号
企業と大学で希望選考時期に温度差
全国就職指導ガイダンス
5月31日に、「平成23年度第1回全国就職指導ガイダンス」が東京ビッグサイトで行われ、全国の大学の就職担当者や企業関係者などが参加した。
講演では、経団連と大学などにより構成される就職問題懇談会が就職・採用活動の開始時期を巡る昨今の動向を説明。
経団連は会員企業に対して提唱している「採用選考に関する企業倫理憲章」で、2013年度以降入社の大学生などの採用選考について、自社採用サイトなどによる学生の「プレエントリー」の受付などの広報活動の開始を卒業前年の12月1日以降にし、面接などの実質的な選考については、卒業学年の4月1日以降に開始するよう促している。
しかし、就職問題懇談会は、学生の「プレエントリー」を受け付けることは実質的に「採用選考活動」であると指摘し、説明会日程や選考スケジュールなどの発表に絞った活動を卒業前年度の3月以降に開始するよう求めた。また、「プレエントリー」や「エントリーシート」、面接などによる実質的な選考は、卒業前年度の成績を適切に評価できる時期以降に開始するよう要請した。
こういった背景には、学生が十分に勉強できないまま就職せざるをえない現状があり、2012年4月入社を希望する学生の大半も、学業より就職活動を優先している。今年1月にレジェンダ・コーポレーション株式会社により発表された新卒学生へのアンケート調査結果では、2012年4月に入社を希望する学生16171名のうち83・4%の学生が「学業よりも就活優先」と回答。また、「仮に就職活動が卒業1年前からの準備で間に合うとしたら、もっとチャレンジしたいことは何ですか」という質問には、約半数の学生が「資格取得」や「学業/研究」と回答した。
就職活動の早期化が長期化をもたらしたり、学業の障害となっており、企業と学校の歩みよりが一層必要とされる。
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