向学新聞2011年11月号
外国人1万人を日本へ無料招待
観光庁 平成24年度予算概算要求
観光庁は9月30日、来日を希望する外国人1万人に、無料往復航空券を提供する「Fly to Japan!事業」の計画を公表した。旅行の体験をブログやSNS等による「口コミ」で母国へ発信してもらい、日本の安全性を全世界にアピールし、日本への旅行者を増加させるのが狙いだ。観光庁の担当者は、「自国民からの情報への信頼度が高く、口コミが効果的」と述べる。今年8月に観光庁が行った「訪日旅行回復緊急調査」によれば、「震災後に日本に行ってきた自国民」への信頼度が、「原子力の安全性に関する国際機関」への信頼度に次いで高いことが明らかになった。この結果を踏まえ、各国のコミュニティに〝日本の今〟をリアルタイムで発信してもらうことで、訪日イメージの向上と新規の日本ファンの獲得につなげる。
応募者には、旅行の具体的な計画の提出などが求められ、審査を通過した外国人が招待される。旅行の際の買い物や宿泊などを通じて、約31億円の消費の創出を見込んでいる。観光庁は平成24年度の予算概算要求に約12億円を盛り込んだ。
政府は成長戦略として「訪日外国人3000万人計画」を打ち出しているものの、2010年の訪日外国人数は約860万人、2011年1月から8月の期間では約394万人に留まっている。日本在住の外国人留学生等を日本全国の観光地に派遣し、母国や世界へ情報発信をしてもらうなどの「受入環境整備サポーター派遣」事業も始動しており、訪日者数の回復、増加への相乗効果が期待される。
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