向学新聞2013年1月号
日本語学校生2年連続減少
ベトナム・ネパ―ルは過去最高
日本語教育振興協会(日振教)が12月6日、2012年の日本語教育機関の実態調査速報値を発表した。日本語学校に通う留学生数は2万9111人(対前年比4128人減)となり、2年連続の減少となった。
出身国・地域別に前年同時期と比較してみると、最も多い中国は1万7998人(4410人減)と大幅に減少し、次に多い韓国も2673人(811人減)となった。一人っ子政策をとる中国では二年前の東日本大震災の影響が大きく、「親や祖父母が心配して日本留学に反対するケースが多い」と日振教の担当者は指摘する。韓国も震災の影響はあるが、貿易立国としての経済状況が背景にある。国際ビジネスの共通語である英語や世界第2位の経済大国である中国への関心が高く、日振教の担当者は「アメリカなどの英語圏や、中国に流れていっている」と分析する。韓国人学生は2008年に10528人在籍しピークを迎えたが、それ以降毎年減少を続けピーク時の4分の1となり、減少傾向に歯止めがかからない状況だ。
一方で、ベトナムは2038人(628人増)と初めて2000人を突破した。日系企業の進出など日本との関わりが活発化したことが理由で、ベトナム人学生は10年前から約10倍となった。タイは456人(105減)と微減したものの、ネパールは1363人(142人増)と最高記録を更新し、ミャンマーは444人(35人増)、インドネシアも283人(30人増)に増加した。
日本語学校に通う留学生の7~8割を占めている中国と韓国の減少は、留学生の総数に大きな影響を与えている。しかし、その他のアジア圏からの学生が増加傾向にあるなど新しい局面を迎えようとしている。
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