<向学新聞2013年3月号記事より>
アセアンで留学フェア盛況
日本の強み活かし、留学生増加を
1月19日、20日にタイ・バンコクで第2回日本留学・日系企業就職フェアが開催され、2日間で7565人が来場した。インドネシアでも1月26日、27日に日本留学フェアが催され、2447人が来場し、アセアンで留学フェアが盛況だ。
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〈タ イ〉
バンコク日本人商工会議所や日本学生支援機構(JASSO)、JEDUCATIONなど4機関が主催し、71社の日系企業と48の教育機関などがブースを出展した。来場者は、昨年から2000人以上増加した。
留学コーナーでは、英語での学位取得やサマーコースに関して質問が相次いだ。日系企業ブースでも、学生が熱心に企業情報のメモを取るなど関心の高さを窺わせた。1300社を超える日系企業がタイに進出しているが、人材不足が問題となっている。JEDUCATIONの長谷川卓生氏は「理系やエンジニア人材が求められている」と話す。
日本で学ぶタイ人留学生は約2150名(JASSO調査)だが、人気の留学先は米国や英国だ。世界最大の留学生受け入れ国である米国には、約7600名のタイ人学生が留学している。企業と教育機関が合同でフェアを実施することで、日本留学と日系企業への就職の魅力をセットでアピールする狙いがある。
〈インドネシア〉
G30(国際化拠点整備事業)がインドネシアで主催した日本留学フェアも盛況を博した。「日本の最新の研究内容や技術を学び、やがてインドネシアで貢献できる人材になりたいと思う学生が多くみられた」とG30の担当者は話す。
インドネシアの人口は、約2億4000万人で世界第4位だ。経済成長を牽引する国の一つとして注目を集めている。日本で学ぶインドネシア人留学生は約2200人(JASSO調査)で、国・地域別では7番目と多くはない。しかし、インドネシアの日系企業は1200社以上に及ぶ。昨年11月には、トヨタグループがインドネシアでのエンジン製造工場の新設、約9000人の雇用創出を発表するなど経済的繋がりは益々強まっている。
ちなみに、昨年11月にベトナムで開催された日本留学フェア(JASSO主催)も、2日間で1600名以上が来場した。日系企業のベトナム進出に伴い、日本留学が就職に有利だと考える学生が多いことが要因だ。就職や母国で活かせる技術など、日本の強みを活かした「留学後のビジョン」を強く打ち出すことが留学生増加の鍵となる。
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