向学新聞2014年1月号
グローバル人材育成が加速
文科省 47大学が集結
文部科学省は12月15日、早稲田大学でグローバル人材育成推進イベント「第一回Go Global Japan Expo」を開催した。北海道大学や立命館アジア太平洋大学など全国から47大学が一同に集結。カナダやオーストラリア大使館なども参加し、ブース出展やプレゼンテーションなどが行われた。高校生や大学生など約4100名が来場し盛況を博した。
一際来場者で賑わったのは、海外留学の必須化や厳しい卒業要件を課し、グローバル化を先導する秋田県の国際教養大学。中津将樹入試室長は、「志の高い学生が足を運んでくれて本当に有り難い」と話す。だが、日本の教育について「欧米と較べるとまだまだ甘い部分がある。英語化を進めるだけではなく、本当のグローバルスタンダードの教育こそが次なるステップだ」と指摘する。
世界で活躍する社会人12名と来場者が交流する「ロールモデルカフェ」では、亜細亜大学国際関係学部の九門崇特任教授が、米国留学や中国での活動を通し「中国の莫大なエネルギーは、中国を訪れて初めて分かった。実際に海外へ行ってみる事がとても大事だと伝えたい」と話した。「世界で活躍できるのはどのような人材なのか」という高校生からの質問に対し、「例えば自己主張一つとっても、米国と日本の社会では考え方が全く違う。そういった様々な立場を理解した上で、対話の中で新しい第三の価値観を提示できることがグローバル人材には必要だ」と強調した。
グローバル人材の不足が叫ばれる中、留学などの支援体制はこれまで十分ではなかった。同イベントに参加した東京都立国際高校の井上公裕さんは、「こういう機会はなかなかない。もっと広報をしてほしい」と話す。アメリカ国務省・教育文化局の支援を受けて留学情報の提供やアドバイスを行うEducation USAの小林明氏は「政府がグローバル人材の育成を推進するのであれば、公的機関が中心となって支援を全国へ広げていかなければいけない。今回のイベントは大きな一歩となった」と話す。
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