<向学新聞2014年11月号記事より>
スーパーグローバル大学決定
全学的な大学改革 世界トップ100に10大学を
文部科学省は9月26日、スーパーグローバル大学等事業において、東京大学、名古屋大学、千葉大学などの37大学をスーパーグローバル大学として採択した。
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徹底した大学改革と国際化を断行するために、世界大学ランキングトップ100を目指すタイプA(トップ型)の大学13校にそれぞれ4億2000万円、日本のグローバル化を牽引するタイプB(グローバル化牽引型)の大学24校にそれぞれ1億7000万円を最大10年間支給する。
トップ型には、東京大学、京都大学、大阪大学、九州大学をはじめとする国立大学や早慶など日本有数の大学が選ばれた。英教育専門誌タイムズハイアーエドゥケーション(THE)世界大学ランキング23位の東京大学は、米英の単なる模倣ではなく、日本ならではの世界的研究型総合大学の構築を目指す。現在の強みである理工学・人文社会科学分野を融合させた公共政策、経工連携、サスティナビリティ学など文理融合分野を強力に推進する。また、英語による学位取得プログラムを拡充すると同時に、学部教育において日本語による質の高い教育プログラムを重視し、既存カリキュラムの見直し・討論型授業の取り入れ等を行なう。日本語・英語に留まらず中国語、韓国語といった多言語の教育研究も充実させる。
グローバル化牽引型には、千葉大学、金沢大学、法政大学、立命館大学等24校が選定された。千葉大学は新教養学部の設置、ダブルメジャー制度等を軸に大学改革を行なう。2016年度に設置予定の新教養学部では文理融合型の教育を行い、一定年数の教養科目を学習後、自由に専攻を選択できるようにする。また、現在日本ではダブルメジャー制度が認められておらず、異なる専門の学位を取得するためには、大学卒業後に再度大学に入学する必要がある。しかし、ダブルメジャー制度が認められれば、4年間で二つの学位を取得でき、多様な専門をもつ人材を育成できる。千葉大学はダブルメジャー制度を大学改革の目玉政策の一つに掲げており、他大学や文部科学省の意向と合わせて制度改革を試みる。日本を理解して世界で活躍できる人材の育成を目的とした「国際日本学」プログラムでは、海外留学を必修化しているが、この取り組みの全学化を検討しており、全員留学を目指す。
スーパーグローバル大学等事業は、英語などの語学だけを強調するものではなく、グローバル化に伴う全学的な大学改革が柱だ。事業期間も10年間と長期になっており、これまで多かった5年程の支援とは一線を画している。
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