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向学新聞2015年1月号


日本は21世紀の未来像

            日本語力と専門性が必要 日本語教育の国際シンポジウム

                 

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 国際シンポジウム「グローバル人材育成のために日本語教育が果たす役割」が12月13日に東京国際交流館で開催された。独立行政法人日本学生支援機構と武蔵野大学が共催。世界から有識者が集い、日本語教育について活発な議論が行われた。
 
 会場がほぼ満員となる350名が来場する中、天津外国語大学(中国)の修剛学長は日本語教育の現状について、「中国の大学の約半数に日本語学科等が設置され、24万人の学生が日本語を専攻している」と説明した。
 
 中国における日本語学習の始まりは、20世紀初頭。急激な近代化を進めていた日本から西洋文化を学ぶことが目的だった。今後の展望について修学長は、「日本のことだけではなく、中国・世界のことを学び、グローバル人材の育成を目的とする内容ある日本語教育を行う」と強調した。
 
 同じく東アジアにある釜山外国語大学(韓国)は、韓国内で最も大きい日本語学部を擁し、日本語専攻の学生数は英語専攻より多い。日本で就職する学生数も最も多く、同大学の鄭起永教授は日本への就職が成功する要因について、「上手くいっているのは日本語ITコース。日本語力だけではなく専門性が必要だ」と指摘した。
 
 カリフォルニア大学サンディエゴ校(米国)の當作靖彦教授は日本語学習・日本留学の意義について、「日本が抱えるバブル崩壊や少子高齢化等は世界がこれから経験する課題であり、日本の解決策は非常に良いモデルになる。日本は21世紀の地球の未来像だ」と訴えた。さらに、「スティーブ・ジョブズは京都の龍安寺をiPadの参考にし、ドナルド・キーンは『戦後日本文化は世界を支配した』と話している。日本文化はイノベーションの源泉だ」と強調した。



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