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向学新聞2015年9月号


中堅・中小企業向け留学生活用セミナー

外国人ならではの役割を

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             パネルディスカッションの様子
               
               

 日本貿易振興機構(ジェトロ)が7月1日、「中堅・中小企業等のグローバル展開における外国人留学生等活用セミナー」を開催した。来場者は163人で、製造業、サービス業、商社など6割以上が中小企業からの参加者となった。
 
 留学生の採用実績がある企業等のパネルディスカッションでは、留学生の採用や定着について率直な意見が交わされた。

 採用方法について川島金属株式会社の太田由香氏は、「留学生対象の合同企業説明会に2~3ヶ月に1回ほどの頻度で参加し、留学生から年間約50人の応募がある。そこから2~3人採用している。現在大企業の採用枠が広がり中小企業にとって厳しい状況だが、応募してくれる留学生は国立大学など優秀な学生が多い」と説明。さらに「留学生採用を始めて6年が経過したが退職者は一人もいない。企業説明会に外国人社員を同行させたり、外国人社員が寂しい思いをしないよう春節の時期には中華街へ行ったりイベントを催している」と親身な対応に取り組んでいることを強調した。
 
 東洋システム株式会社の飯田哲郎社長は、外国人社員の定着において欠かせないモチベーションアップについて言及。「中国・上海の責任者を中国人社員に任せている。こちらが期待すると本当にやる気をもって仕事に取り組んでくれ、スキルアップしようという姿勢は日本人社員の刺激になっている」と話した。業務以外でも手厚いサポートを施し、「外国人社員優先の1ルームの部屋を30部屋用意している。福利厚生、給料などの待遇も日本人と同等、あるいはそれ以上かもしれない。外国人社員には長く安定的に勤めて頂きたい」と話した。
 
 留学生の就職支援などを行なう一般社団法人留学生支援ネットワークの久保田学氏は、「外国人しかできない役割を与えること、お互いが尊敬しあえるような関係を作ることが重要だ」と締めくくった。
 
 セミナー全体に対して来場者からは「外国人材の雇用について、知見もなく悩んでいたところ一通りの情報が入手できた」、「外国人材の雇用が現実味を帯びてきた」、「外国人従業員への配慮の仕方がすばらしく参考にしたいと思った」などの感想が寄せられて好評を博した。



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