<向学新聞2016年1月号記事より>
国費外国人留学生の歓迎会開催
文科省が初の試み
文部科学省と独立行政法人日本学生支援機構が12月6日、東京国際交流館プラザ平成で国費外国人留学生歓迎会を開催した。2015年度に来日した国費外国人留学生は約3900人で、そのうち400人以上が全国各地から参加した。
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お茶体験や先輩留学生からキャリア構築のためのアドバイス、和太鼓の演奏などが催され盛り上がりを見せた。電気通信大学に留学中のクワメ・アカー・ボフルさん(ガーナ)は、「同じガーナやアフリカ出身の留学生と出会える貴重な機会となった」と話す。法政大学に留学中のオフマン・マークスさん(オーストリア)は、「和太鼓は初めて聴いたが素晴らしかった。先輩留学生のプレゼンテーションも役に立った」と感想を述べた。
これまでも多くの国費留学生が日本で学んだが、卒業後のフォローアップ、ネットワーク化が戦略的になされていないと度々指摘されてきた。初の試みとして歓迎会を実施した文科省・留学生交流室の柴田鏡子政策調査係長は、「日本滞在中から留学生同士の繋がりを作りたいと考えた。見込み数を大幅に上回る留学生が全国から参加し、留学生側にも『交流の場を持ちたい』というニーズがあることが分かった」と話す。
厳しい財政状況のなかで2015年度は約190億円を国費留学生に割いている。制度の効果測定が一層求められるなか文科省の柴田氏は、「これまで日本政府の思いを留学生に伝える場がなかった。イベントを通し、日本と世界の架け橋になってほしいというメッセージを発信したい」と強調した。今後は歓迎会など継続的なネットワーク活動に加え、小中学校へ留学生を派遣し国際交流活動に取り組むなど地域社会にも貢献していく。
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