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向学新聞2016年7月号


NUSが首位、東大7位に

アジア大学ランキング 


 英高等教育誌のタイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)が6月20日、アジア大学ランキングを発表した。シンガポール国立大学(NUS)が首位に立ち、昨年首位の東京大学が7位に転落した。

 アジア大学ランキングは大きく分けて教育・研究・論文引用・国際性・産業収入の5つの項目で評価する。NUSは特に国際性・研究・論文引用で高い評価を得た。THEは「優れた研究力とイノベーション力を併せ持つ」とNUSを評価。教育面については、「英国式の少人数チュートリアル教育と米国式の単位取得コース教育を活用している」と分析する。
 
 一方で東大は、教育・研究・論文引用という大学としてのコア部分で昨年より評価を下げたことが順位下落の要因となった。優秀な学生の獲得競争が世界規模で行われるなか、シンガポールは充実した奨学金や生活環境、国際通用性のある教育環境など日本の大学がなかなか提供できないインセンティブを準備している。国際性の低さが日本の大学の課題と長らく指摘されているが、グローバルな環境で勝負できない体制が大学としての質に大きく影響することを今回のランキングは示唆している。
 
 アジア大学ランキング2位は南洋理工大学(シンガポール)となり、シンガポールの大学がトップ2を占めた。同率2位で北京大学、4位香港大学、5位清華大学となった。
 
 中国からもトップ5に2校入ったが、THEエディターのフィル・ベイティ氏は「中国は世界の20・2%に及ぶ科学系研究論文を出しており、今年中に世界トップの米国を追い抜くはず。量が質を生むだろう」と中国の躍進について予想した。



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