向学新聞2017年3月号
外国人労働者、初の100万人超
留学生や技能実習生が大幅増
日本国内で働く外国人労働者が108万3769人となり、初めて100万人の大台を超えたことが厚生労働省が発表した統計で分かった。昨年10月末時点での事業主からの届け出を集計した。前年からは19・4%増とこれまでで最も大きい伸び率となり、留学生や技能実習生の増加が全体を大きく牽引した。外国人労働者数は4年連続で過去最高を更新している。
国籍別では中国が約34万人、ベトナム約17万人、フィリピン約13万人などとなっている。前年と比べるとベトナム(前年比56・4%増)とネパール(前年比35・1%増)からの労働者の数が大幅に伸びている。
在留資格別では、前年からの伸びが大きかったのが技能実習生の25・4%増(約21万人)であり、留学生等の資格外活動も同25・0%増(約24万人)、専門的・技術的分野の高度人材が約20%の増(約20万人)となった。これら3種類の在留資格で全体の6割に上る。その他、永住者や日本人の配偶者など「身分に基づく在留資格」が4割となっている(約41万人)。
厚生労働省は増加の要因について、「政府が進めている高度外国人材の受け入れが進んできていることやアルバイトをする留学生が増加していること、雇用情勢の改善が着実に進んでいること」などを挙げている。
留学生のアルバイトについては、国籍別にみるとベトナムが35・5%(7万4521人)で最も多く、次いで中国が34・2%(7万1638人)、ネパールが15・4%(3万2302人)だった。この三ヶ国で留学生のアルバイトの85%を占めている。
勤務先の業種は製造業が31・2%、卸売・小売業が12・9%、宿泊業・飲食サービス業が12・1%となっており、人手が不足しがちな業種で外国人が労働力の一部を補う構図が浮き彫りとなっている。
日本政府は移民政策をとらない立場を堅持しているため、単純労働を目的とする外国人の入国は認めていない。しかし現実的には、勉学目的の留学生や、技能習得が目的の技能実習生を抜きにしては立ち行かない軽作業やサービス業などの現場が数多く存在している。今後も外国人労働者を必要とする事業所は増え続けるとみられるが、受け入れの在り方全体について改めて見直す必要がありそうだ。
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