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多分野で即戦力技能人材受入れ

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向学新聞2018年9月号記事より>


多分野で即戦力技能人材受入れ

新在留資格整備 2018骨太方針

外国人との共生社会を構築

 政府は6月15日に首相官邸で会議を開き、「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太方針)と「未来投資戦略2018」を取りまとめた。一定の専門性・技能を持ち、即戦力となる外国人材のための新たな在留資格を創設し、人手不足が深刻化している業種での受け入れを目指す。7月24日には「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」を開催し、新制度構築の進め方や、共生のための総合的な対応策について検討を行った。


外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議2
外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議(2018年7月24日)
(首相官邸ホームページより)


 新在留資格の在留期間の上限は通産5年で、家族の帯同は認めないが、滞在中に更に高い専門性を身につけた者には現行の「技術・人文知識・国際業務」等への移行や家族の帯同を認める。


 新在留資格を取得するには、受け入れ業種ごとに定める技能や語学力の水準を満たしていることが必要となる。日本語については「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」を基本に、業務上必要な水準を考慮して定める。技能実習生として3年働いて修了した者は技能や語学の試験は免除される。


 介護の技能実習生については現在、入国1年後までに日本語能力試験N3相当の日本語能力を身に付けることが求められ、能力がないと判断されれば帰国せざるを得ない。新在留資格ではこのN3の縛りを取り除き、能力がそれに満たない場合でも引き続き在留可能にする仕組みを検討する。


 企業の現場からは労働力不足を訴える声が上がっている。日本商工会議所が中小企業4千社を対象に2018年3~4月に行った調査では、65%の企業が「人員が不足している」と回答し4年連続でその比率が上昇。特に宿泊・飲食業や運輸業では約8割もの企業が「不足している」と回答した。


 これまで、技術の習得を名目にした技能実習生や、留学生のアルバイトが実質的に多くの単純労働の現場を支えていたが、政府は今年の骨太方針で真正面からいわゆる“単純労働者受け入れ”に舵を切った形だ。2019年4月に新在留資格を創設し運用を始める。


 外国人の受入れ環境整備も課題となる。そのため法務省が関係省庁や地方自治体との総合調整機能をもつ司令塔的な役割を果たすよう7月24日に閣議決定した。また、共生のための環境整備と適切な在留管理を行うため、法務省に入国管理庁のような外局を設けることを検討し、この新体制についても2019年4月の発足を目指す。


 政府は当初受け入れ分野として、建設、農業、宿泊、介護、造船の5分野を想定していたが、大幅に受け入れ分野が加わる見通しだ。7月24日の関係閣僚会議で齋藤農林水産大臣は、農業に加え、「漁業、水産加工・食料品製造業、外食産業等」の分野も対象となるよう検討を進めるとした。石井国土交通大臣は、「建設業、造船・舶用工業、宿泊業、自動車整備業、空港グランドハンドリング等」を人手不足分野として挙げた。


 さらに世耕経済産業大臣は、経産省で7月12日に製造業における新たな外国人材受け入れのための説明会を開催し、業界団体を中心に約300人が参加したと報告。特に産業のサプライチェーンを支える鋳・鍛造や金型プレスなどにおいてニーズが高いと述べた。


 新在留資格での受け入れ人数は当初50万人程度を見込んでいたが、これら業種が追加されればさらに増える可能性がある。


 外国人との共生のための施策としては、多言語での生活相談や日本語教育体制の整備に注力する。厚労省は医療機関における医療通訳の配置や医療費の未収を防ぐキャッシュレス決済の導入を進める。また文科省は、全国各地で生活に必要な日本語を身に付ける機会が得られるよう地方公共団体等を支援し、50万人以上にのぼる日本語教室の空白地域を解消する。さらに、日本語教師資格を整備し、日本での就労を前提とした日本語教育を海外で行うための新教材の開発や、海外の日本語教師への給与助成等に取り組む。




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