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向学新聞2019年11月1日号記事より>


日本語能力が賃金に関係

能力主義制度で定着向上


 9月6日に内閣府が発表した外国人雇用に関する報告書によると、日本企業が人手不足感を理由に外国人を採用する傾向が強まっていることがわかった。


 賃金については、外国人正社員と日本人正社員との25年間分の賃金を比較したところ大きな違いは見られなかった。しかし外国人正社員の場合は日本語能力の高さが賃金に大きく関係しており、大学を卒業していて日本語能力が高い社員は、大学を卒業していて日本語能力が高くない社員よりも約2倍賃金への影響度が大きかった。また、大学を卒業していなくても日本語能力が高い社員は、大学卒で日本語能力が高くない社員よりも賃金への影響度が高かった。日本語能力が高いことが賃金を高めるという相関関係が明らかになった。いっぽう外国人非正社員については日本語能力は賃金に影響せず、熟練した技能が賃金向上に関与していた。


 外国人正社員の定着率については、高度人材(実務経験者)、新卒留学生の場合ともに、コミュニケーションが容易な企業ほど定着率が高い傾向がみられた。さらに実務経験者については年功にとらわれない昇給・昇進の促進、新卒留学生については社内外の日本語研修を実施している企業で、比較的定着率が高いとの回答が得られた。


 調査は内閣府が「企業の外国人雇用に関する分析―取組と課題について―」と題し、外国人を雇用する日本企業の実態について取りまとめた。日本は人口減少の大きな課題に直面しており、2012~18年の間に生産年齢人口は約500万人減少。外国人労働者は2018年までの10年間で3倍の146万人に増加し、労働市場に占める存在が次第に大きくなってきている。




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