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招き猫  


ご利益引き寄せる縁起物
開運のシンボル


オーソドックスな三毛猫タイプs

 オーソドックスな三毛猫タイプ


 招き猫は片手を挙げて手招きする姿の猫の置物で、日本の商店の店先などによく置かれている。人やお金を招くご利益があるとされる「縁起物」のひとつであり、どちらの手を上げているかでご利益の違いがある。一般的には右手を挙げていれば金運や幸運を招く「開運招福」、左手を挙げていればお客を招く「千客万来」のご利益があるとされる。また、色によっても違いがあり、一番多い三毛猫は広く開運招福を祈願するが、金の猫は色の通りの金運、黒猫は家内安全や厄除けを祈願するものといわれる。


 招き猫は江戸時代末期に江戸の町で誕生したとされるが、その発祥は諸説あり定かではない。現代のように普及したのは戦後のことで、陶磁器産地を中心に多くの招き猫が生産されてきた。


 招き猫のように開運招福を祈願する「縁起物」は日本人の感性がそのベースにある。ものに心が宿り、宿ったものが人や運勢を引き寄せる。生きている以上は「何か良いことがあるように」と願う心は万人共通のものだが、その願いをものに託したシンボルのようなものである。


 店頭に置いてあればそれは商店主だけでなく客の開運招福をも願って置かれている。訪れる客も、買うことで何か良いことがあるようにと願いながらお金を落とす。猫という憎めないキャラクターがかわいい仕草とともに客の心理に静かに訴えかける。



縁結びの神社、今戸神社の石なで猫s


縁結びの神社、今戸神社の
石なで猫

右手を挙げて福を呼ぶ豪徳寺の招き猫 願が成就したお礼として奉納されている 豪徳寺は招き猫発祥の地とも言われるs

右手を挙げて福を呼ぶ豪徳寺の招き猫
願が成就したお礼として奉納されている
豪徳寺は招き猫発祥の地とも言われる


 
2017年11月掲載
 




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