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マイケル・ティオン ホーヒー さん (マレーシア出身) 
(東京大学大学院修士課程2年) 


留学で母国への目線変わる  日本は留学生に親切な国


――日本留学で苦労したことは何ですか。
 やはり文化の違いです。高校を卒業し、マレーシアで2年間日本語の勉強をした後、まず明石高専に入学しました。バスケットのサークルに参加したのですが、日本の先輩への接し方などの上下関係には驚きました。
 言語の壁もありました。母国で2年間日本語を勉強しましたが、最初の3ヶ月程は授業が全く分からず苦労しました。そこで、授業前日に教科書を読み込み専門用語を予習しました。当日は、先生が説明している箇所を予想しながら授業を受けていました。電子辞書も常に持ち歩き、本当に毎日の予習を繰り返していました。
 他には、共通の話題がなく友人を作ることも大変でした。日本人の学生は、漫画やゲームが好きですが、当時は全く分からず、話についていくことが出来ませんでした。ですから、日本のゲームを覚えたりしました。しかし、最後に「勉強」という分野が日本人学生との共通の話題になりました。得意な分野があれば、皆が相談にきます。そこで上手く説明できなかったとしても、相手からの反応があり、お互いの考えていることを確認してやり取りする中で、日本語が上達していきました。1年目はやはり日本語での授業が大変でしたが、2年目、3年目にはほとんど理解できるようになりました。

――留学を通して学んだことは何ですか。
 留学をすることで、母国を違った目線で見ることができるようになりました。マレーシアの政治に不満を感じることもありましたが、それは子供が親に不満を持つようなものであると気づきました。外に出てみて、必要なことは十分に与えられているのだと知りました。
 例えば、日本では水やトイレットペーパーは無料ですが、外国ではそうではないところがたくさんあります。日本人の方にとっては、日本を出てみて、初めてそういったことに気づくと思いますが、私自身もマレーシアの良い所を発見できるようになりました。

――日本留学の魅力は何ですか。
 医療面ですと、留学生も国民保険に加入することができ、7割の治療費を負担してもらうことが可能です。言語面で言えば、アメリカなどの場合、英語が分からなければ、自己責任で何とかしなければいけません。しかし、日本ですと、教員の方が言語力を考慮してくださったり、面倒をよく見てくれます。実は、留学生にとても親切な国であると思います。

――将来の夢は何ですか。
 GE(ゼネラル・エレクトリック)に就職が決まったのですが、エネルギー分野の技術営業がしたいです。何事も好きだという気持ちがあれば、どのような困難も乗り越えることができるはずです。将来は、お客様の問題を解決できるような営業になるという目標に向かい、小さな一歩ずつでも常に前進し続けていきたいと思います。



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