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ウン チャンホクさん(マレーシア出身) 
(NEC モバイルRAN事業部) 


チームで長く付き合う  社会や企業への貢献を

――グローバルビジネスに必要な心構えとは。
 異文化間の衝突にどのように対処するか。これは個人の成長のプロセスの一つです。入社後に研修期間を経て早く仕事に入っていくには、大学時代に日本社会に溶け込んだ経験が必要になります。
 日本人はどちらかというと積極性に欠ける面があり、人間関係に壁があったりします。そういった独特の文化に溶け込むためには、壁を完全に壊すのではなく、一部保ちつつも距離を置きながら溶け込むのが大事だと思います。完全に踏み込んでしまうのは逆効果です。例えば自分を知ってもらおうと母国のことばかり話せば嫌われます。長く付き合うためにはある程度距離を保って喋り過ぎないことも大事です。
 グローバル化とは何かということですが、日本に勉強しに来たのだから日本に全て従うべきだというスタンスでは、絶対に衝突してしまう人が出てきます。私は今会社でチームを率いており、部下は全て日本人ですが、「私はこういうやり方だからそれに従え」と言ってもチームはうまくいきません。自分が経験した良い方法を取り込みながら引っ張っていくことが大事で、ときには譲り合うことも必要です。安定を好み、チームで長く付き合っていくのが日本の良いやり方だと思います。

――どうやって自分をアピールしていけばよいでしょうか。
 「私の価値」とは何だろうと考えたことが何度もあります。私でなければできないことが何かを常に考え調整していく必要があります。自分がこうしたいとストレートに出ると「出る杭は打たれ」ます。例えばチームで中国語を話せるのが自分だけなら、それでどういう貢献ができるのかを考えることです。
 外国人は会社に入ってから3~5年でやめるとよく言われますが、それぐらいでやめる人は自分のキャリアばかり考える人が多いです。社会や企業に貢献するという観点が必要です。大手企業なら海外でもビジネスをしていますので、日本の会社での貢献がいつか自分の国に返ってくる可能性もあります。貢献していくプロセスの中で自己のキャリアも形成されていきます。まわりと調整しながら、自分のポジションを確保しながらやっていくことが大切でしょう。

――今の職場では20年続けてきたのですね。
 技術に関しては、昔苦労して身につけたものが頭の中に残っているので経験を活かせます。やるときは一所懸命、邪念なくやることですね。3~5年でやめるものだと思ったら絶対大成しません。「木が育つには10年、人が育つには100年」という入社時に上司に言われた言葉が深く心に残っています。急がずじっくりと腰を落ち着けて取り組むことが必要だと思います。


ウン チャンホク
1985年来日。一年間東京の日本語学校に通い、その後大分大学に入学。卒業後NECに就職、現在に至る。



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