Top向学新聞日本で働く留学生OBたち>鄭 希さん


鄭 希さん(中国出身) 
(株式会社リクルート) 


就職活動は「情報戦」  一社でも多く受けることが大切

――就職活動をどのようにしましたか。
 日本人とチームを組んでいました。日本の就職活動はプロセスや方法が他の国と全く違いますので、留学生どうしの情報交換はあまり役に立ちません。日本人と情報交換することで「この会社は知名度があまりないが面白い」「この会社だと必ずこういう質問をされる」といった生の情報が手に入りました。また、一緒に面接を受けた人が翌日にもう人事から電話が来たけれども私はまだ電話が来ていない、といったこともわかり大変役立ちました。可能性が少なければ早く他の会社を優先して受けたほうが良いです。日本の大手企業の募集は4月1日から一斉に始まり、全て応募することはなかなかできませんので、あきらめて他社を受けるといった場面でそういうタイムリーな情報が大切になります。状況は1時間ごとに変わってきます。5次面接が終わって帰る途中に他社から面接の電話がきて、スケジュールを見たら他社とかぶっているので、どちらを優先するか電話しながら決断したこともあります。業界・会社研究は必須です。企業ごとに何が違うのか予めよく研究しておけば決断材料になります。就職活動イコール情報戦なのです。
 私の場合アプローチだけで50社、うちシビアな選択に上ったのが半分ぐらいです。正式な面接は4月から始まりますが、その年の1月から朝から晩までずっとセミナーや説明会、面接に出て、一日3社くらいのペースで回っていました。土日も入れて一日も休みませんでした。情報の次に大事なのは多く受けること。つまり体力戦です。

――受けたのは大手企業中心ですか。
 いえ、中小企業は2月頃から選考が始まりますのでまず中小企業をたくさん受け、4月からは全部大手を受けました。中小企業での面接はいい経験になりましたし、全く聞いたことがなくても意外に面白いと思える企業がたくさん出てきます。中小企業も積極的に受けておくべきです。自分の情報だけを頼りにせず、どんどんセミナーに出て新しい企業に出会ったほうが良いです。新卒として就職活動できるのは人生に一度しかありません。「聞いたことがなかったのですがどんなことをしているのですか」こういう質問が許されるのは新卒だけです。たいへん優秀で就職活動せず推薦で有名企業に入っても「もう少し多くの企業の話を聞いて自分の視野を広めたらよかった」と後悔している人の例を知っています。他社との違いが分からないのです。数か月のうちに数十社の日本企業の人事と話ができるのは新卒のときしかありません。一社でも多く受けるようにしたほうがよいです。それが結局は良い社会勉強になるのです。



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