Top向学新聞日本で働く留学生OBたち>岳 衡さん


岳 衡さん(中国出身) 
(嘉悦大学 職員) 


物事に真剣に取り組む姿勢学ぶ  留学生は+αを身につけて


――現在の仕事の内容は?
 主に本学に在籍する留学生のサポートを担当しており、奨学金の申請や在留期間更新の手続きを行ったり、生活上の相談に乗ったりしています。

――来日の経緯は。
 日本語学習は全くせず大連から来日しました。身長が高いこともあって子供の時からバレーボールをしており、日本の指導者にスカウトされて日本に来たのです。ただ、将来は専門能力を活かせるグローバルな職種にも就きたいと思っていたので、ある時選手としてのキャリアを捨てて、以前から興味のあった日本のスポーツ用品メーカーにエントリーしました。最終面接まで行ったのですが結局落とされてしまい、その後はスポーツも仕事もできる文武両道の人間になろうと決意しました。

――日本での生活の中で成長できたきっかけはありますか?
 日本のバレーボールチームは、とにかくみな真面目に一生懸命練習していました。休もうとしてもとても休めない雰囲気で、それは中国にいたときには見たことがない光景でした。監督が「球出し」を一人で3時間行って選手より汗だくになっている姿を目の前にして、自分も一生懸命やるしかないのだと考えさせられました。物事に対して真剣に取り組む姿勢を、日本人を見ながら現場で勉強したのです。チームメートからはコミュニケーションの大切さを学び、日本は努力すれば必ず努力した分返してくれる社会だと感じました。

――チームの信頼関係を作るのに心がけていたことは?
 伝えたいことがあったら行動で伝えることです。周囲は言う人でなく行動する人を見てくれます。自ら考えて行動するという習慣は今の仕事にも活かされています。言われたことをやるだけでなく、周りを観察しながら何が必要とされているのか考えて行動することです。例えばレギュラーになれない人たちはその人なりに果たすべき役割を自分で考える必要があります。雑用でも立派な役割になりますし、レギュラーならそういう人たちがカバーしてくれた分一生懸命プレーできるのだと考えるべきです。そういう姿勢を忘れると人間は仕事をしても成長しないです。

――留学期間中の過ごし方についてアドバイスは。
 同国人どうしでグループを作ってしまう留学生がいますが、なぜ交流しないのか聞くと「日本人は話しかけづらく入りづらい」というのです。しかし1、2回声を掛けたくらいではそれほどうまくいかないものです。仲間にしてくださいという気持ちを出して積極的に交流してほしいです。
 社会では日本語を話せるだけでは誰も必要としてくれません。留学生は母国語と日本語を話せるのは当然ですから、それ以外に+αの何かを持つ必要があり、そのために目標を立てて卒業までに何ができるのか考えなくてはいけません。日本企業の新卒採用は人物重視です。日本人と積極的にコミュニケーションをとってきた留学生は採用されやすくなると思います。

――最後に留学生に一言お願いします。
 災害が起きたときだからこそ日本に何を恩返しできるか考えてほしいです。私は日本があって今の自分があると感じます。外国人だからこそ活かせるものが必ずあります。日本文化をよく理解し、視野の広い人間になることを目指してほしいです。



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