Top向学新聞日本で働く留学生OBたち>スカラヴェッリ マッテオ さん


スカラヴェッリ マッテオ さん (イタリア出身) 
(WIPジャパン株式会社) 


日本語、文化、人情の機微知る努力を  日伊の架け橋になりたい

――来日した経緯を教えて下さい。
 高校時代に柔道を経験したことが日本との最初の接点でした。大学進学時には希少価値のある言語を学びたいと思い、ベネチア大学で日本語を専攻しました。卒業後、イタリアで日系の旅行会社に就職しましたが、日系企業のビジョンや日本人の同僚の考え方など分からないことが多く、やはり実際に日本に行かない限り、イタリアと日本の架け橋になることが出来ないと感じるようになりました。それで、日本の近代文学や日本文化の本質に迫る勉強をするために大阪大学で博士課程まで進学し6年間学びました。

――現在どのようなお仕事をされていますか。
 弊社は、翻訳や海外ビジネスを展開したい企業のための現地調査、多言語WEBサイトのマーケティングサービスなどの事業を行っており、日本と中国にオフィスを設けています。翻訳、海外市場調査の仕事は自分に適していると思いますし、成長が著しいアジアの市場調査も非常に興味深く、仕事は充実しています。現在私は、中国進出を目指すイタリアの中小企業と中国現地企業との仲介役を担い、ヨーロッパと日本・中国を繋ぐ窓口になろうと努めています。
 実は、日本での最初の就職先は地方にある日本酒を扱う会社でした。日本らしさが残る田舎という点や、日本酒の輸出プロジェクトが動き始めるという点に興味を持ち就職を決めました。日本文化を知るという貴重な体験は出来たのですが、外国人ということで色々と働きづらかった経験があり、より国際的に活躍できる場を求めて転職を考えるようになりました。そこで、IFSAさんに現在の会社を紹介していただき、今年の4月から勤務しています。海外経験のある日本人や、アメリカ、ドイツ、ニュージーランド、中国、韓国など世界各国出身の同僚が在籍し、とても国際的な職場になっています。

――日本で働き学んだことは何ですか。
 信頼できる人がとても多いことです。計画や方針が一度決定すれば、皆が実現させようとし、ほとんど破棄することはありません。また、日本人の几帳面さも知りました。弊社の場合、しっかりと作法集が準備されて社内教育が行われます。海外の場合、すでにある分野の資格を持っているか、あるいは経験があるなどの能力を基準に採用される場合が多いと思いますが、新人は仕事で分からないことがあるのは当然で、社内教育が充実していることは良い点だと思います。

――就職活動のアドバイスはありますか。
 単純なアドバイスかもしれませんが、読み書きなどの日本語をしっかり勉強することです。私も漢字を一生懸命に勉強し、漢検2級を取得しました。日本語でのアウトプットが完璧に出来なくても、日本語をほぼ理解できるレベルまで到達することが重要だと思います。日本にいながらも日本語を習得しようとしない留学生がいることは事実ですが、日本でしか学ぶことができない、日本語や、日本文化、人情の機微を知る努力をしてほしいと思いますし、私自身も学び続けていきたいと思います。「井の中の蛙大海を知らず」という言葉があるように、ローカルな場所に留まるよりも世界を舞台に生きる方が苦労も多いですがやりがいがありますので、ぜひ挑戦してほしいです。私も将来的にイタリアと日本の架け橋になれるように頑張りたいと思います。



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