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王 巍 さん (中国出身)
(株式会社特殊金属エクセル)
真剣に就職活動を行うことが大事
――現在の業務内容を教えて下さい。
当社は、主に冷間圧延という技法を用いて金属を0・01ミリまで薄くするなど、特殊金属を造る事業を行っています。薄くした金属は、パソコンのキーボードバネ、自動車のホーン、液晶フレーム、カミソリなど幅広い製品に利用され、世界中で使用していただいています。私は現在、生産性アップと製造経費(主にガス・電気)削減という二つのプロジェクトを担当しています。例えば、製造ラインに携わっているメンバーをより人手が必要とされる業務に配置するなど、効率的に生産性を上げる仕組みを作っています。なかなかうまく進まない時もありますが、やりたいことの本来の目的と意味をきちんと説明したり、関係者とよく相談しながら進めています。現在入社4年目ですが、3年目から推進リーダーを任せてもらうなど、やる気があればどんどん挑戦できる会社です。おかげで非常に早い速度で成長していると感じます。
――どういった部分が成長したと感じますか。
周囲の人を巻き込んで目標を成し遂げる力が向上したと感じます。ある課題の推進リーダーに選ばれた場合、メンバーの選定、スケジュール管理など、責任を持って遂行しなければいけません。当然一人で仕事ができるわけではなく、メンバーの協力が必要不可欠です。仕事を進めていく中で、チームをまとめるにはメンバーへの理解や関心を持つことが非常に大事だと学びました。部下を管理するのではなく、目標に向かって巻き込んでいくという本当のリーダーシップを発揮できるよう、コミュニケーションをよくとるように心掛けています。将来上海と台湾にある工場長になるという目標もあり、実現のため一生懸命努力しています。
――就職活動をしている留学生にアドバイスをお願いします。
真剣に就職活動を行うことが大事だと思います。私の場合、就職活動の期間を3カ月と決めて、志望する会社を絞りこみ集中的に取り組みました。3社しか応募しませんでしたが、2カ月たらずで当社の内定をいただき、大学の内定獲得者第1号にもなりました。その代わり面接では毎回毎回本気で臨みました。面接官は何百、何千人もの学生に会っているので、学生がどれほど真剣な気持ちか分かると思いますし、本気さは伝わるはずです。逆に、「とりあえず今回は行ってみよう」、「他の会社の面接もあるし」といった中途半端な気持ちは見抜かれてしまいます。私の方法はリスクもありましたが、大事なのは本気さと元気さだと伝えたいです。また、大学の就職課の活用もお勧めします。就職課にある求人情報は、通学している大学の学生を採用したいと考えている企業のものだからです。
社会にでてみると、「日本人だから」、「外国人だから」といった問題ではなく、コミュニケーション能力の重要性を感じます。留学生は母国を離れ、日本で勉強し生活している時点で、積極的にコミュニケーションを取ろうとする意思や能力があると自信をもってほしいです。留学生としての強みを活かしながら、全力で自分をぶつけて頑張ってほしいと思います。
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