Top向学新聞日本で働く留学生OBたち>楊 威さん


楊 威さん (中国出身) 
(新日鐵住金株式会社 薄板事業部) 


現場との信頼関係が財産 自分の軸を確立することが重要

――現在の業務内容を教えて下さい。
 現在入社5年目で、日系家電・重電メーカーへ薄板の営業を担当しています。

――鉄鋼業界を志望した理由は何ですか。
 母国中国では地元(遼寧省鞍山)にある製鉄所を見ながら育ったこともあり、元々鉄鋼業に関心がありました。鉄は自動車や造船、建築など様々な分野で使われており、世の中の様々な産業を支える基礎素材として魅力的です。例えば自分が営業担当した鋼材が、自動車や家電など新しい製品に使われていることに営業担当として非常に誇りを感じます。自分の仕事が形となって目にできることが鉄鋼メーカーで働く醍醐味の一つです。また、鉄を通じて様々な業界の動向を捉える事ができる点も魅力です。

――仕事で印象に残っている出来事はありますか。
 入社して3年半は愛知県・名古屋市で、ある自動車メーカー向け自動車鋼板の生産進度管理を担当していました。お客様が必要なタイミングに、必要なものを必要な数量届けることができるよう、生産進度・在庫管理を行う仕事です。当時、ある車種が立ち上がるに当たって、使用量の大きい注文を当社が受注しました。新車種の生産台数は、売れ行きによって左右されるため、必要な鋼材使用量の予測を立てづらく、製鉄所の操業変動があると、すぐに在庫不足になり、日々タイトなデリバリー対応が強いられました。何回も工場まで足を運んで、自分が担当する材料を優先的に製造して貰えるよう依頼しました。また、工場の技術者と連携して、一貫した品質管理体制をとって頂き、必要な材料が確実に製造されるよう様々な人のご協力を得て、何とか難局を乗り越えることができました。
 「この人のお願いであれば絶対何とかする」と思っていただけるよう、現場の方との信頼関係を築くことが非常に重要です。何度も困難なことがあったのですが、「休みを返上してでも作りたい」と熱く対応してくださった方々の支えは、私にとって大事な財産でした。

――いよいよ12月から就職活動が本格化しましたが、留学生へアドバイスをお願いします。
 志望動機を明確にした方がいいと思います。なぜ日本で、なぜその企業で働きたいのか。それは面接でも聞かれると思いますが、入社するための答えではなく、自分の軸として確立することが重要です。実際に働いてみてすべて楽しいことばかりではない場合が多いかもしれませんので、軸がしっかりとしていれば困難を乗り越えることができるはずです。
 また、留学生であることを意識しすぎない方がいいかもしれません。高い語学力があったとしても、日本社会への理解や求められる知識や能力がなければ活かすことが出来ません。むしろ自分には足りない部分が多いと思って、がむしゃらに頑張りたいとPRすることが大事です。どれだけ高い語学力があったとしても、言葉が相手に響かなければ意味がないのはどこであっても同じなのです。



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