Top向学新聞日本で働く留学生OBたち>姜 文赫さん


姜 文赫(きょう ぶんかく)さん (中国出身) 
(株式会社ニフコ グローバル第三事業部 技術部商品技術課) 


日本人の真面目さ目の当たりに 「人と人を繋ぐ」ものづくり

――日本留学のきっかけは何だったのですか。
 中国・ハルピン出身で大学卒業まで過ごしました。機械工学専攻で授業の一環として中国にある自動車生産工場を見学しましたが、プレス機械など良い設備といえばほとんどが日本製で、教員からも日本・ドイツ製が世界のベストだと教わりました。学部4年間の勉強だけでは満足できず日本に留学しました。

――どのような学生時代を過ごしたのでしょうか。
 日本語学校で学んだ後、大学院に進学するため早稲田大学の科目等履修生として1年間勉強しました。とても視野が広がりましたが、早稲田大学大学院の入試選考に落ちてしまい悔しい思いをしました。ですが、その1年間で興味のある分野の学会や教授と出会うことができ、最終的に日本工業大学に進学しました。 
 所属した研究室はとても厳しいところで、通学に往復3時間かかる中、月~土の9~18時まで毎日のように研究に没頭していました。修了までに3つの研究テーマの論文を書き上げる必要があり、夏休み・冬休みもないぐらいでした。毎日のように教授から怒られていましたが、様々なことを教えて頂き感謝しています。「若いうちに苦労した方が良い」という教授に頂いた言葉は忘れることが出来ません。
 私が留学生活で最も自慢できることは、人に負けないくらい努力してきたことです。私がこれまで努力できたのも、研究室のメンバーが徹夜で研究したり、アルバイト先の店長の仕事ぶりだったり、出会った日本人の真面目な姿を目の当たりにしたからで、私も日本人と同じように生きたいと感じました。

――どのような就職活動を行ったのですか。
 大学院では塑性加工(金属などの材料に力を加え形状を変化させること)を専門にしていたのですが、自分の専攻を活かせる業界を中心に就職活動を行いました。最終的に4社から内定を頂きましたが、ダイバーシティを推進し外国人社員が働き易い環境や、自動車・家電・住宅などあらゆる業界に関わる工業用ファスナー(パーツを繋ぐ留め具)の製造を行っている点に惹かれて当社を選びました。
 また、当社の企業説明会で採用担当の方が「失敗はした方が良い」と話しており、その言葉を聴いた時「この企業とは合う」と感じました。人生を振り返ってみて、受験や研究、アルバイトなどで様々な失敗があったからこそ今の自分があると感じているからです。

――日本企業で働いて感じたことは。
 当社は工業用ファスナーなどエンジニアリングプラスチック製品を製造しています。研修で工業用ファスナーを製造したのですが、営業部署の提案から始まり、設計、試作、金型製作など様々な部署を経て一つの製品が完成することを知りました。入社するまでは技術的なノウハウばかりに関心がありましたが、ものづくりとは「人と人を繋ぐ」ことなのだという大きな発見でした。

――就職活動を行っている留学生にアドバイスを。
 外国人留学生は言語の壁がありますが、「自分は外国人だから」と甘えてはいけません。昨今日本人学生にとっても就職が厳しい時代ですが、逆に苦労できるチャンスだと思います。日本人と同じ土俵でやるという気持ちでなければ成功は難しいでしょう。就職活動は絶対に経験するべきだと思います。業界研究等を通して日本社会を知るだけではなく、数年間にわたる留学生活の努力が就職活動に凝縮して発揮されるからです。


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