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黄 欣云さん 

関西外語専門学校 中国出身


ボクシングを練習し始めてから

黄 欣云さん

黄 欣云さん

 日本に来て、大好きな豚カツを食べすぎたあまり、私の体重が10キロ増えました。その時、「ボクシングをすれば、痩せるのに大変効果がある」と聞いて、すぐジムに入会して、ボクシングを練習し始めました。

 ところが周りの人たちは、私の話を聞いて、驚いていました。みんな、ボクシングジムにはとても怖い人たちがいっぱいいて、危ない場所だと思っていたようで、「練習をやめたら?」と言いました。また「女性は、ダンスやピアノなどを習ったほうがいい」とか「ボクシングの練習をしている女性なんて、彼氏ができなくなりますよ」とよく聞きました。その時、私はいつも「偏見ですよ」と言い返しました。

 しかし、「偏見ですよ」と言いながら、自分のことを考えてみると、私自身もいろんなものに偏見を持っています。かつて、悪い人たちがタトゥーを入れている姿をよく見ました。そして、知らず知らずのうちに、タトゥーをしている人に悪い印象を持っていました。私のジムにはたくさんタトゥーを入れている会員がいますが、最初は彼らと話すのが怖かったです。しかし、実際にみんなと付き合っているうちに、以前持っていた悪い印象がなくなりました。みんな、初心者だった私に、とても丁寧に教えてくれました。そのおかげで私の不安だった部分は、すぐ解消されました。タトゥーは人の髪型や服のスタイルなどと同じで個人の特徴だと思います。それで人を判断するのは、客観性が全然ありません。

 ボクシングの練習を始めてから、私は大分痩せ、ストレスも解消され、体力がつき、自信を持つこともできました。それ以外に、自分の考え方も変わったと思います。

 日本に来てもう2年になりました。日本に留学する前は、私は日本に行ったこともないし、日本人の友達もいないし、日本語と日本文化について何の興味も持っていませんでした。日本についての情報は全部SNS、教科書と他人の話から得ました。正直、最初は歴史的な理由で、私は日本によくない印象を持っていました。しかし、その時の私は、自分の誤解に気づいていませんでした。

 3年前にインターネットで日本人の友達ができました。中国語がペラペラ話せる彼は日本文化や社会の動向について教えてくれました。自分の母語で話せたことで、私は心を開き、そして私たちの距離を縮めることができました。彼は「インターネットでいろいろな情報が調べられる現代社会では、それよりも自分で、実際に体験した方が良いと思う」と言いました。その話を聞いて、初めて日本に行きたいと思うようになりました。本当の日本はどんな国なんだろう。日本の文化も学びたいと考えました。

 日本に住んでいるこの2年間に、私は困ったときに日本人から手をさしのべてもらったこともたくさんありましたし、親切で礼儀正しい日本人によく出会いました。以前持っていた悪い印象がなくなりました。面白いのは、日本に来る前に、日本の方はルールを守るという印象を持っていましたが、自分の観察結果から言うと、今住んでいる大阪で、青信号の時は進む、赤信号の時は…気をつけて進む、日本の方もいます。実際に見て、聞いて、もっと生き生きとした日本社会を知ることができました。

 ボクシングの練習にしろ、日本に対する考え方にしろ、今大切なのは、自分の目で、耳で、見ること、聞くこと、確かめることが一番大切だと思います。

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